2014 Fiscal Year Research-status Report
未固定肺癌検体を用いた抗癌剤耐性・感受性因子の測定による肺癌個別化治療の確立
Project/Area Number |
25460691
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中村 洋一 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (20432974)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長島 聖二 長崎大学, 大学病院, 助教 (00646672) [Withdrawn]
福田 実 長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (50388930)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 個別化医療 / 肺癌化学療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
超音波気管支鏡を用いて肺癌組織検体の収集に努めている。現在までで約50例から組織を収集している。来年度までにあと20名程度の上乗せを予定している。現時点で超音波気管支鏡検査における重篤な合併症の報告はなく、有害事象の観点からも検体収集は順調と判断している。RNA抽出に関しては超音波気管支鏡でwithin(前回までの報告書ではinsideと記していたが、日本呼吸器内視鏡学会の用語統一に従って今回よりエコー端子先端が腫瘍内に挿入された状態をこのように変更する。)を確認した症例から得られた検体をコア・バイオプシーによる腫瘍部分と判断し、未固定状態のままRNeasy Plus Mini Kitを用いてtotal RNAを抽出、同 100ng よりHigh Capacity cDNA Reverse Transcription Kitを用いてcDNAの合成を行っている。いずれの検体からも十分量のRNA抽出が確認されcDNA化されており、本生検検体の研究資料として十分な精度があることは証明された。通常型気管支鏡検査で採取された生検検体は微小なため、解析可能な量のRNAが抽出できるかが問題の一つであったが、超音波気管支鏡を用いればこの問題が解決できることが示唆され、本研究では組織量の少なさが解析精度に与える影響は無いことが確認できた。現在、Platinum qPCR Super Mixを用いてTaqMan法によりプラチナ製剤の耐性因子であるERCC1の発現についてのみ先行して解析しており、予後との相関を比較検討中である。次年度は、比較結果の統計学的解析およびABCトランスポーター(MDR1、MRP1、MRP2、BCRP)、CYP(1A2, 2D6, 3A4 3A5)、TSなどとの相関を確認する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例の集積は順調に進んでいる。また、予想以上にRNAの抽出が順調であり、1検体から今後の解析に関して十分量のRNAが回収でき、cDNAとして保存している。ABCトランスポーター(MDR1、MRP1、MRP2、BCRP)、CYP(1A2, 2D6, 3A4 3A5)、TSなどのタンパク質のmRNA発現を解析予定であり、これらの測定系を現在準備中であるがそれらも順調である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は症例数(検体数)の上積みと、予定しているタンパク質の発現解析を順次行う予定である。解析予定等タンパク質はABCトランスポーター(MDR1、MRP1、MRP2、BCRP)、CYP(1A2, 2D6, 3A4 3A5)、TSであり、測定系の精度確認が終わり、症例も十分量に達したところで行う予定である。
|
Causes of Carryover |
本年度は検体採取に主眼をおいた活動であったため、物品に関しては前年度購入した分おおよそまかなうことが可能であった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度において検体を集中解析する予定であり、研究開始前の試算に準じた物品費が生じると考える。また、結果報告のための学会出席のための旅費も必要になると予想する。
|