2013 Fiscal Year Research-status Report
ヒトCD4+T細胞における転写因子STAT5Bの遺伝子制御機能の解析
Project/Area Number |
25460697
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
金井 孝裕 自治医科大学, 医学部, 講師 (00398504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小高 淳 自治医科大学, 医学部, 講師 (70382885)
青柳 順 自治医科大学, 医学部, 助教 (80438639)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | STAT5B / CD4+ T 細胞 / 小児特発性ステロイド感受性ネフローゼ症候群 / 川崎病 |
Research Abstract |
CD4+T細胞は、小児特発性ステロイド感受性ネフローゼ症候群や、川崎病の病態で重要な役割を果たしている。 そして、CD4+T細胞は、転写因子STAT5Bにより、その遺伝子発現制御をうけることで、免疫機能の一部を発揮している。 ヒトSTAT5には、92%の相同性を持つSTAT5AとSTAT5Bの2分子が存在する。これらは、その構造類似性から多くの重複する作用を持つ。一方、STAT5B欠損患者の報告は、STAT5Bが独自の機能を持つことを明らかにした。ヒトにおいては、STAT5Bのみが、1)CD4+T細胞の増殖、2)制御性T細胞(CD4+CD25+FOXP3+T cell)の活性化、の作用を持つことが明らかとなった。 これまでの研究からは、CD4+T細胞における転写因子STAT5Bの制御遺伝子の発現には、STAT5Bだけでなく、その共役因子も重要な役割を持つことが明らかとなった。このため、本研究では、ヒトCD4+T細胞を用いて、STAT5Bに対する共役因子タンパク質の同定を、生化学・遺伝子工学の各手法を用い、同定することを目標とした。 今年度は、ヒトCD4+T細胞におけるSTAT5Bに対する共役因子候補タンパク質を検出することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、ヒトCD4+T細胞を用いて、STAT5Bに対する共役因子候補タンパク質を、同定することができた。 また、今回の実験と同じ条件におけるヒトCD4+T細胞上で、STAT5Bにより特異的に制御を受ける遺伝子を特定し終えた。 上記は、本計画に対する当初の予定通りの進捗状況であり、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに、STAT5Bに対する共役因子候補タンパク質を検出し終えた。 また、今回の実験と同じ条件におけるヒトCD4+T細胞上で、STAT5Bにより特異的に制御を受ける遺伝子を特定し終えた。 このため、同定したタンパク質の遺伝子をヒトCD4+T細胞上でsiRNA法によりノックダウンし、STAT5Bにより特異的制御を受ける遺伝子の発現量をq-PCR法にて測定し、コントロールと比較する。現在、ヒトCD4+T細胞における、トランスフェクション装置を用いた、候補タンパク質遺伝子の至適ノックダウン条件(電圧・パルス時間)設定を検討中である。)を、検討中である。 上記手法により、本候補タンパク質の、共役因子としての働きを確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ほぼ順調に計画が進んだものの、まだ、予定したすべての実験が終了していないため。 まず、昨年度に終了しなかった研究を行う。 その研究の結果が出た後、新年度の研究計画をすすめる。
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