2014 Fiscal Year Research-status Report
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25460702
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
桧貝 孝慈 東邦大学, 薬学部, 准教授 (70297711)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | NKG2s / NCR / IL-2 / 局在化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、より高い糖鎖依存性細胞傷害を誘導するために、関連分子であるレクチン受容体やNCR1-3分子の発現様式、細胞膜局在や存在形式の解析を行った。 はじめに、レクチン受容体やNCR1-3分子の抗体により、NK細胞株KHYG細胞上での発現様式を共焦点レーザー顕微鏡により解析した。その結果、IL-2存在下では、CD94やNKG2D, NCR1-3分子は、細胞膜上に普遍的に存在していることが明らかとなった。また、2日間のIL-12やIFN-alpha, beta刺激により弱いながらもCD94の局在化の傾向が観察された。一方で、NK細胞の増殖・活性化に必要なIL-2非存在下で2日間培養することにより、CD94分子は細胞膜上にて強く局在化することが観察された。CD94分子はNKG2Cと存在することで、活性化受容体として働くが、NKG2Aと存在する際には抑制性受容体として機能することが知られている。KHYG細胞上でNKG2Cの発現が認められないことや、IL-2非存在下においてNKG2Aの発現が増加することは、CD94のカップリング受容体はNKG2Aであり抑制性として機能している事が示唆されるとともに、IL-2による活性化では、局在が普遍化することによりその抑制性受容体としての機能が不活化されている可能性が示唆された。現在、NKG2AやラフトのマーカーであるGM1との共局在化を、抗体やコレラトキシンを用いて共焦点レーザー顕微鏡で解析を行っている。今年度の研究により、抑制性受容体の不活化という制御機構が、糖鎖依存性細胞傷害には存在する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に計画していた「レクチン受容体やNCR1-3受容体の細胞膜上発現様式、細胞膜局在および存在形式」の解析は、概ね計画通りに進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、平成26年度で得られたIL-2、IL-12, IFN-alpha,betaシグナルとCD94の局在化メカニズムの解析を詳細に行うとともに、レクチン様受容体であるCD94を介したシグナル伝達を翻訳後修飾レベルで解析を行う。 また、CD94やNKG2D等のレクチン様受容体、NCR1-3からのシグナルをDAP10やDAP12などのアダプター分子に着目し、そのリン酸化および下流のIFN応答までを糖鎖リガンド刺激にて解析することで、NK細胞に複数のレクチン受容体が発現していた場合の受容体からの活性化シグナルを解析する。 また、標的細胞に対する細胞傷害活性を中心に、NKの活性化および標的細胞側の糖鎖リガンドの発現様式を解析することで、糖鎖依存性細胞傷害の制御機構を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
購入した試薬等が、通常よりも安く購入できたため、少額の残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
抗体(20万円)、培養基材(10万円)、試薬等の消耗品(50万円)に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)