2014 Fiscal Year Research-status Report
サイクリングプローブLAMP法によるHHV-6型特異的定性/定量検出法の開発
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25460705
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
井平 勝 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 教授 (10290165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 喜彦 藤田保健衛生大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00387713)
杉山 博子 藤田保健衛生大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (10387714)
吉川 哲史 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (80288472)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | LAMP / Real-timePCR / Cycling probe / Taqman probe / HHV-6 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、相同性の高いHHV-6A、HHV-6Bについての特異的DNA定量法を作製するためPCR法とcycling probe を組み合わせたDNA定量法(cycling probe real-time PCR法)の基礎検討を行った。本年度は、臨床検体を用いて、従来我々の研究室で行ってきたTaqman real-time PCR法 (HHV-6AとHHV-6Bの識別は不可能)とMultiplex cycling probe real-time PCR法を比較した。対象は、9名の造血幹細胞移植患者から得た末梢血計64検体である。Taqman real-time PCR法とcycling probe real-time PCR法によるHHV-6A DNA量の相関は、y = 0.21x + 100668、 r2 =0.996 同法によるHHV-6B DNA量の相関は、y = 0.11x + 1925 r2 = 0.80と両者とも有意 (p<0.01)な相関を認め、臨床検体解析における本法の有用性を確認した。 次にcycling probeとLAMP法と組み合わせるために、乾燥LAMP試薬作製における至適条件を決定した。この方法は、乾燥試薬と希釈検体の混合で測定開始となり、操作が大幅に単純化できる。本年度は、乾燥化のための試薬至適条件、方法を検討した。最終的にBst polymeraseを除くLAMP液状試薬(primerを含む)を乾燥化、希釈血清と混合(DNAを抽出も省略)する方法とした。予備検討として30名の突発疹を疑った患児から得た血清を用い、液状試薬、乾燥試薬のLAMP法で比較した。乾燥試薬は、少なくとも4℃ 2週間、最長3ヶ月間保存してから使用した。この結果は、30検体中2検体をのぞいてすべて一致した。不一致であった検体は両方とも液状試薬で陽性、乾燥試薬で陰性であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Cycling probe とLAMP反応を組み合わせた場合の標的遺伝子の増幅に伴う蛍光強度変化についての実験は、検討段階であり、至適条件が得られていない。現時点で問題となっているのは、LAMP反応による標的遺伝子の増幅があってもcycling probeによる蛍光強度の増強が充分確認できない点にある。これは、LAMP試薬にcycling probeを加えて反応を行った場合、遺伝子産物は電気泳動によっても確認できても、蛍光強度がリアルタイムに検出されていないことから明らかである。昨年度は、cycling probe自体の性能を担保するためにHHV-6AとHHV-6B識別可能な遺伝子定量法の開発においてLAMP法ではなく、PCR法と組み合わせて評価を行ない、probe自体は問題なく機能することを証明できた。PCR法と組み合わせではあるが、本法は臨床評価も含めて評価を行い、一つの簡易迅速な測定法として完成させることが出来た。 LAMP試薬の乾燥化についても基礎検討、臨床検体を用いた予備検討において良好な結果を得ることができ、乾燥試薬によるLAMP法についても一定の進展を得た。今回の乾燥LAMP試薬は定性法用であり、熱変性を必要とするため耐熱酵素ではないBst polymeraseは試薬に入っておらず、乾燥化されていない。Bst polymeraseはを含めた場合の乾燥試薬の至適条件は、これからの検討となり、凍結乾燥法も視野に入れて検討を継続する。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の方針は、LAMP反応に適合するprobeの最適化と乾燥試薬との組み合わせによる標的遺伝子検出系の構築とその臨床評価である。現段階では、probeの問題と乾燥化のそれぞれについて今後研究を推進してゆくうえで検討すべきポイントが存在する。Probeについては、昨年度の検討によってPCR反応の条件であれば、cycling probe は十分機能することは証明できている。したがって、LAMP法とRNaseH至適条件については、cycling probe real-time PCR法の測定条件が参考となることが予想される。PCRの反応条件を基に、標的遺伝子増幅(LAMP法)と増幅された標的遺伝子とcycling probeのアニール、引き続き生じる RNaseHがprobeを切断する反応至適条件を設定する。これに難渋する場合は、等温増幅にて使用できる他のprobe(QprobeやDARQ probe)も候補として至適条件設定を行う。乾燥化については、Bst Bst polymeraseを加えない条件では良好な結果を得ている。簡易迅速法としてはBst polymeraseを加えた乾燥化、またprobeの至適条件設定後にはprobeも含めて乾燥化することが望まれるためこのポイントについても検討する。
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Causes of Carryover |
計画にそって必要な試薬を購入したがLAMP試薬が予定よりわずかに少なく研究が実施可能でああったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度への持ち越し検討となる乾燥LAMP試薬化の至適条件設定に使用する。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Dual roles for the telomeric repeats in chromosomally integrated human herpesvirus-6.2014
Author(s)
Ohye T, Inagaki H, Ihira M, Higashimoto Y, Kato K, Oikawa J, Yagasaki H, Niizuma T, Takahashi Y, Kojima S, Yoshikawa T, Kurahashi H.
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Journal Title
Scientific reports
Volume: 1
Pages: 1-7
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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