2013 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外光による疼痛関連領野同定法の開発とこれを用いた磁気刺激での疼痛治療
Project/Area Number |
25460732
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
由比 友顕 産業医科大学, 医学部, 講師 (60330982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋脇 治 広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (30264948)
笛田 由紀子 産業医科大学, 産業保健学部, 講師 (10132482)
上野 晋 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (00279324)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 近赤外光 / 疼痛 / 磁気刺激 |
Research Abstract |
ビーグル犬をメデトメジンの筋肉注射にて導入麻酔を行ったのち、セレネース、コントミンの静脈注射にて鎮静を維持した。頭部を固定したのち、口蓋直下に近赤外光のアダプタを設置し、頭皮上4カ所に光センサーを設置した。上肢の正中神経、下肢では腓骨神経を電気刺激して、頭皮上の光センサーでシグナルを拾うことが可能か、またその条件を検索した。当初導入麻酔としてイソフルレンの吸入麻酔やプロポフォールの静脈麻酔など行ったが、麻酔深度が浅くならないとシグナルが出現せず安定した結果は得られなかった。このため種々の薬剤による麻酔・鎮静を行った結果、上記のようなメデトメジン・セレネース・コントミンでの麻酔/鎮静であればシグナルを安定してとらえることができることが明らかとなった。ただし薬剤の効果には個体差がありシグナルをとらえる条件は様々であった。電気刺激から約200m秒の潜時で出現し500m秒まで振幅が漸減しながらシグナルが波状に持続する点は共通し再現性もみられた。刺激前には出現しないことから、このシグナルは末梢神経電気刺激に反応した体性感覚誘発反応の一種と考えられるが、潜時の長さから電気反応を直接とらえたものではなく、血流あるいは血管の反応をとらえた可能性が考えられる。シグナルの出現部位は大脳半球感覚野付近から出現し空間解像度は高いと思われるが、刺激と反対側の場合もあれば両側に出現する場合もみられた。四足歩行動物である犬を用いたため、対側ならびに同側の反応を捉えた可能性があるが、このシグナルの発生源自体不明であるため、今後の更なる研究が求められる。
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