2014 Fiscal Year Research-status Report
青年期から老年期の脚筋力の推移及び循環器疾患、介護・死亡予防のための疫学的検討
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25460756
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
岡田 克俊 愛媛大学, 総合健康センター, 准教授 (10314949)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脚筋力 / 動脈硬化 / 体力 / 循環器疾患 / 要介護 / 生活習慣 / 死亡 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、欧米を中心として、筋力が糖尿病・循環器疾患・早死と関連するとの報告がある。一方、我が国では若者・中高年の体力が低下してきていると言われて久しく、これらの層が循環器疾患発症及び介護の必要となる年齢に至った際には、健康づくり・医療及び介護費等のさらなる問題が懸念される。そこで本研究では、既存の追跡集団及び新たに設定する若者~壮年期の集団を対象に、脚筋力の実態調査(年齢階級別)、及び追跡調査による疾病予防のための脚筋力値の設定、これと関連する生活習慣・身体活動の検討を行うことを目的としている。 研究2年目である本年度は、若者(大学生)の集団における脚筋力測定及び生活習慣調査を実施し、3,341名の測定を実施し、過去の測定と併せて延べ17,055名の測定を完了した。また、予備調査として壮年期集団を対象に計169名(延べ352名)に、老年期(満70歳)を対象に33名(延べ51名)の実施を行った。さらに壮年期~老年期集団については追跡調査(発症調査)を継続して実施し、新たな脳卒中・心筋梗塞発症を計12名把握した。 これらの中で、壮年期以降の追跡調査の対象集団において、生活習慣のうち、早寝早起きが脳卒中発症及び死亡に及ぼす影響について検討を行った。その結果、脳卒中発症と総死亡では結果がやや異なり、脳卒中は早寝早起き・遅寝遅起きでもリスクが高まる傾向を認め、総死亡では早寝普通起き(遅起き)でリスクが高まる傾向を認め、追跡開始2年以内のイベントを除外した解析でも同様の結果であることを明らかにした。 本研究計画通り、次年度以降、生活習慣及び疾病罹患との関連解析を確立したことにより、次に脚筋力等の筋力との関連解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査の全般について、当初の計画通り調査対象者の勧誘、測定実施、及び追跡調査が進行しており、次年度以降の継続が十分に可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
過去からの科研費において精緻な発症調査(疾病登録)と追跡体制を確立し、現在までの解析において、循環器疾患発症などのリスク因子について、相対危険度が0.5~1.4程度の間に入る比較的リスクの少ない生活習慣因子の解析が可能となってきている。今後、本助成金により、新たな指標の追加(脚筋力等)を組み込んで追跡期間を延長することにより、さらなる循環器疾患予防・介護予防等の解析が可能となり、健康対策の推進のための重要な資料作成が可能となる。
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Causes of Carryover |
本研究課題においては、本来大学の教員に与えられている校費(いわゆる基盤研究費)等を併せて実施しており、本年度は同経費を主として利用し、次年度以降の本格調査を確実に遂行するために本研究経費の節約を行った。その結果、次年度以降、重点的に予算を投入する事が可能となり、より精緻な調査が実施可能となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度以降、発症調査の精度を向上させるための補完調査のための旅費、及びこれらにて収集したデータの整理・入力のための人件費として充当させる予定である。
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Research Products
(3 results)