2016 Fiscal Year Annual Research Report
Anaphylaxis due to cochineal dye: the confirmation of the diagnostic method and the review of Japanese cases
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25460764
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
竹尾 直子 大分大学, 医学部, 講師 (30423693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 伸一 同志社女子大学, 薬学部, 教授 (30359749)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コチニール色素アレルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】赤色の着色料であるコチニール色素によるアレルギーはアナフィラキシーなどの重篤な症状をきたすことが多く、成人女性に発症することから、化粧品による経皮感作が疑われている。色素はメスエンジムシに由来するが、これまで本アレルギーは、赤色色素本体であるカルミン酸やカルミン酸をアルミニウムやカルシウムで不溶化したカルミンによるものではなく、共存する虫体由来の38kDa蛋白質抗原(CC38K)に対する特異的IgE抗体が発症に関与すると考えられてきた。 【目的】本邦のコチニール色素アレルギーを集積、解析し、診断方法を確立する。 【方法】①国内医療施設にコチニール色素アレルギー疑い症例の登録を依頼し、疑い症例には、皮膚プリックテスト(SPT)用試薬としてコチニール色素抽出液を送付し、SPTを施行する。また、患者血清にてコチニール色素特異的IgE抗体を測定し、SPTと特異的IgE抗体の陽性率を検証する。②本邦の症例を集積、年齢、解析し、コチニール色素アレルギー情報入力サイトに記入する。③抗原の同定を行う。 【結果】本邦でのコチニール色素アレルギーの報告は過去に22症例あり、今回、新たに登録された症例のうち、6症例がSPTと特異的IgE抗体測定にて本アレルギーと診断された。28症例全てが成人女性であり、3症例以外でアナフィラキシーを呈した。13人に化粧品により局所症状が出現した既往があった。原因食品は日本製のイチゴミルクと魚肉ソーセージ、フランス製のマカロンが多かった。患者血清とメスエンジムシ抽出液を用いた2D ウエスタンブロッティング法では患者血清中のIgEはCC38Kだけでなく、その他のサイズの蛋白質にも反応したが、健常人血清もこれらの蛋白質と弱く反応した。 【結論】コチニール色素抽出液でのSPTと特異的IgE抗体の測定はコチニール色素アレルギーの診断に有用であると思われた。
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