2014 Fiscal Year Research-status Report
中国四川省の宇宙線レベルが高い地域に住むチベット系住民の疫学調査
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25460766
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
秋葉 澄伯 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50145554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上床 太心 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50709350)
郡山 千早 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30274814)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 宇宙線 / 水晶体混濁 / 疫学調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国側の研究者協力者である孫全富部長(Department of Radiation Risk Assessment, National Institute of Radiation Protection, China)は、本研究の申請者である秋葉の指導の下に、四川省の高度が1000m, 1400m, 3000m 4100mの村でそれぞれ100人程度を対象に質問票による調査を行った。性・年齢を調整しても飛蚊症を訴える者の割合が、4100mの村では、1000m、1400mの村に比べて2倍程度多いことを見出した。 2013年に、主任研究者(秋葉)は中国の共同研究者とともに四川省の紅原(高度3500m前後)と九寨溝(高度が1200-1700m)で40歳以上の男女を対象に調査を行った。眼科医による細隙灯を用いた検査で、紅原で55人、九寨溝で57人からデータが得られた。水晶体混濁は紅原の男性で9% (2/22)、女性で20%(7/35)、九寨溝の男性で35%(7/20)、女性で40%(14/35)と、九寨溝で顕著に頻度が高かった。性と年齢を調整して統計学的検定を行ったところ、両地域の水晶混濁の頻度の差は有意(P<0.05)であった。紅原の宇宙線(中性子成分)の線量は、九寨溝のほぼ2倍であった。2014年度は、中国側の共同研究者とともに他の要因の検討を行えるようにデータを整理し、データベース化した。また、対象者を増やすために調査をさらに行う可能性も検討したが、チベット系住民の居住する地域での調査が、治安などの理由で最近難しくなっており、断念した。最終年度は、様々な交絡因子を考慮しながら水晶体混濁と放射線被ばく(宇宙線)との関連を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの計画は、ほぼ達成したが、追加の調査を行って対象者を増やすことはできかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、得られたデータで、解析を行い、報告書をまとめる。
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