2014 Fiscal Year Research-status Report
中国における結核およびインフルエンザの時間的・空間的な流行動態に関する研究
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25460769
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
鷲見 紋子 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (10363699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ゴッシュ ソウビック 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30597175) [Withdrawn]
小林 宣道 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80186759)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 感染症 / 結核 / 時系列解析 / 空間疫学 / 予測解析 / サーベイランス / 国際情報交換 / 水痘 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.結核流行が気象変動と相関があるという報告が多くあり、今年度はこのことを明確にするために、まずもって日本における水痘の感染症サーベイランスデータを用いて、感染症と気象変動の相関構造を調べる方法を構築した。得られた成果が査読付学術誌に掲載された(Epidemiology and Infection, 2015)。 2.前年度に得られた中国・武漢市における結核についての結果(Epidemiology and Infection, 2014)を土台として、中国・湖北省の12直轄市で収集された、結核の患者発生数時系列データの包括的な時系列解析を行った。現在、得られた成果について論文執筆中である。 3.前年度に得られた武漢市についての研究計画を土台として、黒竜江省・ハルビン医科大学の協力を得て、ハルビン市における結核データ収集およびデータ解析に着手した。 4.前年度に得られた結果である、結核およびインフルエンザの流行の相関をより詳細に明らかにするために、共同研究者のいる香港中文大学を訪問し、香港の結核データの提供を受け、共同研究が始まった。 5.日本では、年間3万人近くの人が新たに結核を発症し、罹患率は米国の約5倍高く、結核の低蔓延国である。そこで、前年度に得られた武漢市についての研究計画を土台として、日本の患者発生数時系列データの時系列解析に着手した。用いるデータは、公益財団法人結核予防会結核研究所から報告されているものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象地域として当初計画していた中国・湖北省の他に、黒竜江省・ハルビン市、香港、そして日本の結核サーベイランスデータの解析に着手することが可能となった。このことは、アジアという広大な領域における結核流行の全貌を明らかにする足掛かりになると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
1.現在解析中の次の3つの結核患者発生数時系列データについて、論文を完成させる:1)中国・湖北省の12直轄市、2)日本の47都道府県、そして3)香港。 2.ハルビン市の結核データ収集を終了させ、包括的なデータ解析を行う。 3. 結核とインフルエンザ患者発生数の未来の予測値を定量的に示す。予測解析法には、本研究の研究代表者が過去の論文(査読付)で提起した方法を用いる。 4.インドにおける予備的調査:インドは世界で最も結核患者が多く、中国・湖北省についての本研究計画および結果をインドに適用することは大変意義深い。そこで、本研究の実施期間内に、共同研究先であるインド・コルカタについての予備的な研究を実施することを目標とする。
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Causes of Carryover |
前年度に予定していた出張先でのデータ解析のために、ノートパソコンを購入する予定であったが、出張が延期となったためにノートパソコンを購入しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1)前年度に予定していた出張を今年度に行いため、前年度に購入予定していたノートパソコンを購入する。 2)論文投稿料に用いる。
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Research Products
(6 results)