2013 Fiscal Year Research-status Report
遺伝的リスクを考慮した個別化大腸がん予防の実用化への試み
Project/Area Number |
25460786
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 愛知県がんセンター(研究所) |
Principal Investigator |
細野 覚代 愛知県がんセンター(研究所), 疫学・予防部, 主任研究員 (80402600)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 遺伝環境交互作用 / 大腸がんリスク予測 / 個別化がん予防の実用化 |
Research Abstract |
先行する欧米のGWAS研究をレビューし、候補となる16遺伝子多型を選択した。 疫学・予防部の病院疫学研究データベースより大腸がん症例 (558例)、非がんの対照群(1116例)を選択。選択された解析対象者の生活習慣情報 (環境要因:肥満、運動状況、喫煙、飲酒、大腸がんの家族歴など)を抽出した。対象者の保存buffy coatよりDNAを抽出した。16遺伝子多型のうち、まず7遺伝子多型のジェノタイピングを実施した。 ロジスティック回帰分析を用い、大腸がんリスクと有意な関連を示した遺伝子多型を選択し、遺伝学的リスクグループを作成した。ROC解析を行なったところ、環境要因に関連する既知の大腸がん危険因子のみで作成したリスク予測モデルよりも、環境要因と遺伝情報を組み合わせたリスク予測モデルの方が有意にAUCが高かった。 一方、個別化大腸がん予防法を実用化するための研究説明コンテンツ開発に関する研究は、コンテンツ作成準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子多型情報と環境要因を組み合わせた大腸がんリスク予測モデル作成は順調に進んでいる。既知の生活習慣に関係する環境要因のみからなるリスク予測モデルよりも、遺伝情報と環境要因を組み合わせたモデルの方が有意にAUCが高く、大腸がんリスク予測に遺伝情報を活用する有用性を示すことができそうである。 医学知識を持たない一般集団に大腸がんリスク予測モデルの意義を理解してもらい、今後の健康増進に役立ててもらうコンテンツ案の作成も現在進行している。また、コンテンツ作成に参加する研究協力者募集の準備も行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
未検の遺伝子多型のジェノタイピングを行い、最終的なリスク予測モデルを確定させる。 研究説明コンテンツ作成に関しては、コンテンツ案に対して少数(5-6名)の協力者に詳細はインタビュー調査を行って、コンテンツを固める。その後、作成した研究説明コンテンツをより多くの研究協力者(30名程度)に評価してもらい、修正を行う。また、大腸がんリスク予測モデルを使って、全研究協力者のリスク予測を行い、結果を報告する。その際の認知や、その後の健康への意識変化をアンケートで調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実施したジェノタイピング数が予定よりも少なかった。 大腸がんリスク予測モデルの説明用コンテンツ案を現在作成しており、説明用リーフレット作成を行うことができなかった。 未検のジェノタイピングの実施。 大腸がんリスク予測モデルの説明用コンテンツ案を現在作成しており、説明用リーフレット作成。 研究協力者募集にかかる通信費など。
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