2013 Fiscal Year Research-status Report
地域の総合的自殺対策の科学的政策評価と新たなベンチマーク評価指標の開発
Project/Area Number |
25460790
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
本橋 豊 秋田大学, 学内共同利用施設等, 理事 (10174351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 幸司 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40463806)
佐々木 久長 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70205855)
金子 善博 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70344752)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 自殺対策 / 地域自殺対策緊急強化基金 / 効果評価 / 心理的苦痛 / ソーシャル・キャピタル / 食行動 |
Research Abstract |
(1)地域の総合的自殺対策の評価に関する研究:平成24年に内閣府から公表された地域自殺対策緊急強化基金のデータに基づき、都道府県別・市町村別の基金事業の予算執行額と他の官公庁統計データによる社会生活要因に関するデータをリンクさせ、基金執行前(平成21年)と執行後(平成24年)の自殺率の都道府県別・市町村別の自殺率増減データ社会生活要因との関連を分析した。その結果、強化モデル事業執行額、平均余命、高等教育進学率、強化モデル事業市町村別実施割合、電話相談執行額が自殺率増減と統計学的に有意な関連性を有していた。また、有意な関連性については男女差が認められた。地域自殺対策緊急基金投入前後の自殺率の減少傾向の異なる自治体については、秋田県と京都府の質的評価研究を行った。行政トップの指導性、民間団体の活発さ、啓発活動の優位性において両者の間に相違が認められた。その中で、民間団体の活発さが質的評価においてはもっとも重要と考えられた。 (2)地域における自殺対策の効果評価の新たな指標の開発に関する研究:ソーシャル・キャピタルやその他の要因が地域の自殺対策の効果的な推進における役割について、秋田県Y市で実施した調査に基づいて検討した。住民の心理的苦痛に関連する要因としてソーシャル・キャピタルと住民の食事への関心が抽出された。食事への関心は生活習慣病の健康教育との関連で住民に受け入れやすい質問項目であることから、ソーシャル・キャピタル、食事への関心を含む食行動関連項目、心理的苦痛に関する簡易な質問票を作成することが、自殺対策の効果評価に有用である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自殺対策の効果評価について、平成25年度の当初の目標をほぼ達成している。新たな効果指標の開発については、住民への調査研究から食行動関連要因の重要性を明らかにすることができ、次年度の研究につなげることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に公表された新たな地域自殺対策緊急強化基金の公表データをもとに、平成25年度に実施した効果評価を再度検証する。これにより、国レベルの自殺対策の効果評価の検証の枠組みを明らかにする。 平成26年度においては、自殺率の低率地域である京都府の地域住民を対象とした調査を実施し、自殺高率県の秋田県の地域住民の調査結果と比較する。平成25年度で可能性が示されたソーシャル・キャピタルと食行動関連の質問票を用いて、新たな指標が自殺対策の効果評価に有用であるかどうかを検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際学会に出席する予定であったが、大学の管理業務のため出席不可能となったため、旅費の支出が減ったことが理由である。 国内学会に成果を公表するために使用する予定である。
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Research Products
(8 results)