過重労働に関わる新しい心血管マルチバイオマーカーの探索およびその検証的縦断研究

2015 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 25460795
• Research Institution: Nagoya University
• Principal Investigator: 平井 真理 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90242875)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 玉腰 浩司 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30262900)
• Project Period (FY): 2013-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: 過重労働 / バイオマーカー / 心血管系 / 縦断研究

Outline of Annual Research Achievements

27年度は、対象について、縦断研究として、2度目の調査および採血検査を実施した。現在、これらのデータは、前年度のデータとともに、連結不可能匿名化に向けて準備中で、これらが完成した後に、データ解析に移行する予定である。今年度は、3年目であり、初年度に名古屋大学医学部生命倫理委員会から研究の実施承認を得て、既に内諾を頂戴していた研究協力企業および当該企業の検針業務を行っている医療機関とその医療機関から外注により検体検査を実施している検査センターに研究の説明と協力をお願いし、平成26年6月および平成27年7月んｐ社内健診時にその残余の血清を使用してMDA-LDLおよびsmall-dense LDL等を従来の法定検査項目に追加して測定を実施した。対象人数は、平成26年度は162名で、平成27年度は156名であった。健診時に同時に、時間外勤務時間、睡眠障害の有無、体重の増減等、食事、運動習慣等に関するアンケート調査も実施した。また、健診項目から、身長、体重、HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪、空腹時血糖、HbA1ｃ等を抽出することを予定している。我々は、これまでに、長時間労働者においては、MDL-LDLが非長時間勤務者に比して高いこと、および、MDA-LDLのsmall-dense LDLに対する比が長時間労働謝において非長時間勤務者にたいして有意に高いことを見いだしてきた。MDA-LDLやsamall-dense LDLは、食習慣、嗜好品、体重の増減等に影響を受ける可能性があるため、今回の研究ではこれらの因子に関してもその推移に注目して、縦断的に検討していく予定である。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2年目の採血検査の実施の遅れ等により、解析への移行等にやや遅れを生じている。

Strategy for Future Research Activity

今後、データの連結不可能匿名化の処理等が完了し次第、データ解析を進める予定である。しかしながら、現在までの対象者においては、当初想定したような過重労働経験者が少なく、当初に予定していた結果の判定に難渋する可能性がある。今後は、椙山女学園大学と名古屋大学での共同研究という形態でデータ解析を進める予定である。

Causes of Carryover

対象人数が当初計画を下回ったので、その検査費用が当初予定を下回ったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

データ解析等の研究遂行に努力し、万一、残額が生じた際には返納する。