2015 Fiscal Year Annual Research Report
3系統ラットを用いた非アルコール性脂肪性肝炎進展メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
25460797
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
内藤 久雄 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (90547556)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肝線維化 / 胆汁酸 / コレステロール / グルクロン酸抱合 / NASH / 生活習慣病 |
Outline of Annual Research Achievements |
高脂肪・コレステロール飼料(HFC)負荷により、肝炎線維化に進展するラット(SHRSP5/Dmcr)及びその系統元と比較することにより、肝炎・線維化進展メカニズムの解析を行った。特にコレステロールの異化産物である胆汁酸に着目し、解析した。 SHRSP5/Dmcr及びその系統元SHRSP、SHR、WKYを用いて解析しているが、SHRSPは対照群で脳梗塞を多数発症したため、まず、1) SHRSP5/DmcrとSHRSPの解析。次に、SHRを新たに追加し、2) SHRSP5/Dmcr、SHR、WKYの解析を行った。 1) 肝線維化面積はSHRSP5/Dmcr 22%、SHRSP 7%と有意な差を認めた。胆汁酸関連蛋白の発現では、SHRSP5/Dmcrでは、胆汁酸の解毒に関与するUGT活性(グルクロン酸抱合)及びその制御核内受容体であるPXR、CARの発現が低下していた。さらにUGTのアイソフォームのmRNAの発現解析(UGT1A1,1A3,1a6,2b4,2b7)を今年度は行い、1次胆汁酸であるケノデオキシコール酸(CDCA)を基質とするUGT1A3の発現低下と活性が一致した。そのため、肝臓内に胆汁酸(CDCA)の蓄積をもたらしたことが、壊死・線維化進展に重要であることが示唆された。 2) 肝線維化面積は、SHRSP5/Dmcrが約22%、SHRが約7%、WKYが1%未満であった。SHR では、SHRSPと同程度の線維化が認められたが、線維化密集部位付近の広範な壊死層などは一切認められず、肝細胞のバルーニング、大脂肪滴なども少なかった。3系統間では、Cyp7a1及び7b1について、WKYとSHR,SHRSP5/Dmcr間で大きな発現の違いが認められた。WKYは性状血圧ラットに対し、その他の系統ラットは高血圧ラットであることから、高血圧と肝線維化進展との関連を今後の検討課題とした。
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