2014 Fiscal Year Research-status Report
メタボリックシンドローム炎症促進要因とリスク予知に関する予防医学的研究
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25460811
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
竹下 達也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20150310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牟礼 佳苗 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90268491)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メタボリックシンドローム / PPARG / 遺伝型 / 8-イソプロスタン / 酸化ストレス / 糖代謝 / インスリン抵抗性 / 脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
PPARGのPro12AlaおよびHis477His多型が加齢に伴う疾患に与える影響について、対象者を75歳以上および75歳未満に分け、動脈硬化指標、糖代謝指標、血中脂質、血圧、酸化ストレス指標を解析した。和歌山県在住の75~94歳の339人(男性149人、女性190人)、40~61歳の182人(男性91人、女性91人)を対象に多型1(Pro12Ala, C125G)および多型2(His477His, C1431T)の影響について共分散分析により、変異型アレルの数の影響については重回帰分析により解析した。動脈硬化指標については、多型1では75歳未満の男性でCC型が有意にABI高値を示した。血中脂質については、多型2では75歳未満の男性でCT/TT型が有意に総コレステロール高値を示し、女性では有意に低値を示した。75歳未満の女性ではCC型が有意にHDL-C高値を示した。75歳以上の男性でCC型が有意にLDL-C/HDL-C高値を示した。糖代謝指標については、多型1では75歳以上の女性でCC型が有意にFBS およびHOMA-R高値を示した。血圧および酸化ストレス指標については、多型1では75歳以上の女性でCG/GG型が有意にSBP高値を示し、75歳未満でCG/GG型が有意に8-isoprostane低値を示した。変異型アレル数の影響について解析した結果、75歳以上の女性でbaPWVと有意な正の関連を、FBSおよびHOMA-Rは有意な負の関連を示した。75歳未満の女性でHDL-Cと有意な負の関連を示した。PPARGのC125G(Pro12Ala)およびC1431T(His477His)多型は、性差・年齢差を伴って、加齢に伴う疾患に関する指標に影響を及ぼしていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高齢者を含む多数の対象者について、PPARG遺伝型と、メタボリックシンドローム関連様々な健康指標との関連性の検討を行い、興味深い結果を観察した。今後は、さらに大人数に対して解析を行うとともに、フォローアップ研究により、疾患発症リスクとの関連性について検討を行っていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、炎症促進要因であるサイトカインの測定を行い、これまでに測定した遺伝型、生活習慣、健康指標との関連の検討を行い、総合的な評価解析を行っていく必要がある。
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Causes of Carryover |
次年度使用額については、遺伝子多型の解析を部分的に次年度に持ち越すことになったために生じたものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は、持ち越した遺伝子多型の解析に充てて、H27年度に交付された予算については、H27年度に計画している生理活性物質の測定等に充てる。
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Research Products
(5 results)