2015 Fiscal Year Annual Research Report
高齢労働及び非正規雇用形態の高い清掃業務における作業改善と暑熱負担軽減
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25460823
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Research Institution | Osaka International University |
Principal Investigator |
佐藤 智明 大阪国際大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30205942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 辰樹 龍谷大学, 社会学部, 教授 (20268121)
榎原 毅 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50405156)
高西 敏正 北九州市立大学, 文学部, 准教授 (90244673)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 労働安全衛生マネジメント / 高齢労働 / 清掃業務 / 作業改善 / 熱中症 |
Outline of Annual Research Achievements |
一昨年度、調査した現状からの改善として、大きく3点の改善策を昨年度は実施した。1点目は作業環境の改善として暑熱環境の軽減、2点目は作業中の生態負担の低減、3点目は、効率的な作業を可能にするため、作業動線を見直し、無駄な移動を減少させた。以上改善を踏まえ、一昨年度調査を実施した改善前のデータと、昨年度実施した改善後のデータ入力と分析を2015年度中に終了し、その統計処理を実施した。測定項目は、自己記入式のVAS法による作業意識(12項目)、局所負担(12項目)及び主観的感覚(5項目)、VTR撮影による作業姿勢(7分類)及び作業動作(12分類)、1分当りの清掃面積、環境温度(WBGT)とした。生理指標としては、体重、脱水量、水分摂取量、鼓膜温度、握力、心拍数を測定した。改善前後の統計は対応のあるt-testを実施し、経時変化のある項目は、対応のある2元配置の一般化線形混合モデルを用いた。その結果、作業姿勢及び作業動作の改善、暑熱環境の軽減、生体負担の軽減、作業効率の向上が見られた。しかし、自己記入式のVAS法による主観的感覚(5項目)においては、暑熱感(2項目)以外の3項目では逆に訴えが高かった。また作業意識(12項目)及び局所負担(12項目)には変化が見られなかった。以上のことより、作業負担は軽減されているにも拘らず、主観的感覚が軽減されなかった原因として、一つは加齢による体力低下が考えられる。二つ目は作業効率が上がったことによる、実質的な清掃量の増加が、心理的負担を増加させたことが考えられた。
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Research Products
(1 results)