2013 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の要介護リスクおよび健康に関するパネル(コホート)研究
Project/Area Number |
25460827
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
藤野 善久 産業医科大学, 医学部, 准教授 (80352326)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | パネル調査 / 介護保険 / 高齢者 |
Research Abstract |
対象自治体に在住する65歳から84歳までの住民7645人を対象にベースライン調査を行った。有効回答数は4720人(男人、女人)で、回収率は61.7%であった。 <BR><BR>本調査の結果から、対象地域の高齢者において、介護を必要と感じる状態から、介護を受けるまでの経過についてのモデルが示唆された。すなわち、社会的活動やそれに関わる機能(生活の不便をきたす身体のマヒ、痛み、視力、会話)が最初に低下してくる。このような状態になると、自覚的に介護を必要と感じるようになる。さらに、手段的な日常生活である、家事、買い物、食事の用意などに関する機能が維持できなくなると、実際に何らかの介護を受け始める。一方で、基本的な生活動作、身体能力については、要介護状態になっても、完全に喪失することはなく、比較的維持される。また、精神的健康度については、社会的活動が阻害されている段階から低下してきていることが示唆された。先行研究において提唱されている高齢者の機能低下に関するモデルの概念を追証する結果となった。 <BR><BR>本調査の結果、介護を受けている者においても、入浴、洗面、着替え、食事などのADLや基本的な身の回りの動作については、比較的維持できていた。したがって、介護予防対象者のスクリーニングにおいては、これらの基本的なADLによる選定は不向きであると考えられる。一方、社会参加、外出に関する項目、および精神的健康度は比較的早期に低下しており、かつ、介護が必要と感じている高齢者でも機能低下を示していることから、これらの項目に着目した介護予防対象者の選定が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画時には、H25年度からの調査開始を計画していたが、対象自治体が独自に実施していた過去3回の調査データとの整合が可能であったため、本研究で実施したデータと合わせて、H25年度終了時点で、4回分のパネルデータが得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
外部データ(介護保険給付、保険料、死亡・転出、死因(人口動態統計))との結合を行う。そのために必要な申請を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
経費節減のため、調査票の返送を料金後納受取人払いで行ったことにより、差額が発生した。 次年度の調査費用に充てる。
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