2013 Fiscal Year Research-status Report
円滑な診療諸記録入力と関連文書の作成支援機能を実現するシステムの開発
Project/Area Number |
25460844
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宇宿 功市郎 熊本大学, 医学部附属病院, 教授 (30281223)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 診療情報 / 電子入力 / 入力支援 / 重み付け / Webベース |
Research Abstract |
平成25年度においては、日々蓄積されている診療の記録を効果的に活用して、退院サマリ、診療情報提供書などの医療連携に係る諸文書類の作成支援を行うための基盤整備を目指した研究を行った。このために、1)診療関連情報の収集基盤構築、2)個別症例の標準診療内容、個別診療内容の疾患ごとの類型化、3)典型症例蓄積及び模擬文書作成システムの設計開発、4)特異症例における標準診療、治療から外れる場合の情報収集が重要となるが、このためのシステムの設計を行った。 以上のことの実現のためには、電子化診療録に記載のある語句の中で病態ごとに頻度の高い語句を抽出し、重みづけ後に語句変換マスタ、および変換データ辞書を作成することが必要となってくる。電子化診療録からの直接のデータを利用して、前記のことを行うことが重要ではあるが、今年度は症状の重みづけについて、これまで教科書的に指摘されているものを基盤として、ポイントとなる単語を入力することで必要となる文章を作成する仕組み、キーとなる症状を提示する患者の訴えの語句にこれまでの医学的見地からの重みづけを行い、鑑別に必要となる疾患を予想された頻度ごとに提示する仕組みをWebベースで構築することを試みた。この仕組みは、疾患ごとに頻出する単語を予想するうえでの対比となるデータであり、今後の研究の展開に重要なものとなった。症候を選択入力することで、一定の確率で鑑別となる疾患の選択提示はできたが、実症例との対比が今後必要となる状態であった。 このように本年度は、情報収集の基盤を構築するとともに、得られた情報の重みづけを行うために、これまでの医学的情報を有効に生かすための仕組みを構築することを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
入力された診療情報から個別症例において重要な語句を抽出するには、多数例からの抽出を行うことが必要であり、このための基盤整備が行えたので、最初の目標は達成できたと考えている。また、その語句が実際の診療支援の段階で有用か否かは、あらかじめ準備された語句の集団(解析用辞書)が必要であるが、このための第一段階のものも作成できた。以上のことから、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
診療において情報の収集を行う第一番目は患者からの訴えを聴取することである。これまでの知見を総合した形での、第一段階の解析辞書を利用し、そこから医学的に鑑別を必要とする疾患を複数個提示する仕組みとして、解析辞書を使うことを実現した。ただ、まだ十分な程度に疾患の提示等を行える段階には至っていない。今後は、実症例との対比で、より現場に即した仕組みとして利用できるための研究開発を行って行く予定である。
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