2013 Fiscal Year Research-status Report
有効性と経済性から観た大学病院における職場環境アレルゲン削減への取り組みの評価
Project/Area Number |
25460847
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
水本 一弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50239258)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 職場環境アレルゲン / ラテックスアレルギー |
Research Abstract |
平成25年度は、職場環境アレルゲンの中でも特に削減の必要性が高いと考えられる手術用サージカルグラブの非ラテックス化推進に関して検討を始めた。附属病院の電子カルテシステムを利用して、全職員対象のアンケートを実施して、ラテックスアレルギーの有病率や業務などへの影響について調査した。同時にラテックスアレルギーに対する認知度と理解度についても調査を行った。 次に、附属病院中央手術室において、最近製品化された非ラテックス製加硫促進剤(接触性皮膚炎などのアレルギー性疾患の誘発物質)非含有のサージカルグラブに関して、1週間の期間で試用調査を実施した。試用期間後に実施した聞き取り調査の結果、現行のラテックス製サージカルグラブから非ラテックス製品への変更に対して、大半の職員は許容できる(変更可能)との回答をえたが、一部の職員からは従来品(非ラテックス製)の継続使用を希望する回答が合った。この群は臨床経験が20年以上の医師から成っていることが判明した。一方、すでにラテックスアレルギーならびにサージカルグラブ誘因の接触性皮膚炎に罹患している職員からは、出きるだけ早期の導入を希望する回答がほとんどであった。 今年度の予備調査より、臨床業務に支障を来すことなく非ラテックス製サージカルグラブのより長期間の臨床試用が可能であると判断できたので、平成26年度以降は、長期的な臨床試用を実施し、それが職員および患者での有害事象発生頻度や重症度に対してどのような影響を有するかを検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
職員側の調査、検証が予定通り進行しているが、電子カルテから過去のラテックスアレルギー事例の発祥件数や重症度および原因物質に関する調査はまだ出来ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の予備調査より、臨床業務に支障を来すことなく非ラテックス製サージカルグラブのより長期間の臨床試用が可能であると判断できたので、平成26年度以降は、長期的な臨床試用を実施し、それが職員および患者での有害事象発生頻度や重症度に対してどのような影響を有するかを検証する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
電子カルテから過去のラテックスアレルギー発祥件数や重症度などを抽出する作業がで完了していない。また、職員での有病率やそれに起因する業務制限など人的資源の活用に対する影響(損失の算定)も完了できていない。 電子カルテから抽出したデータや職員からのより詳細なアンケートや聞き取り調査に基づくデータの収集、解析を行う必要がある。 この作業を遂行するにあたり、患者情報を含むデータ解析用にネットワークに接続しないパソコンを準備しての作業が必要となる。また、データ集積、管理用のソフトウェアも必要となる。
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