2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25460855
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
梅里 良正 日本大学, 医学部, 准教授 (60213485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 幸宏 日本大学, 医学部, 助手 (10287641)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 医療情報システム / 患者安全 / 患者取り違え / 重複オーダー / 禁忌オーダー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、病院においてInformation Communication Technology(以下ICT)を利用することで生じる可能性がある医療安全上のリスクを最小限に止め得る、推奨される電子カルテの仕様や業務運用手順を作成することを目的としている。2014年度は、前年度に検討・作成したICT利用と医療安全に関わるアンケート調査の最終見直しを行い、7月に1,400病院を対象として郵送方式で調査を実施し、300施設から回答を得た。最終的な調査票は、基本事項として、病院の所在地、病床規模、電子カルテの導入状況を、また医療安全に関わる調査項目として、1.患者の間違い受け付けや同一患者の二重登録の防止について9項目、2.患者を取り違えたオーダーの発信の回避について1項目、3.同一患者への重複オーダー、禁忌オーダーの回避について6項目、4.オーダーの確実な入力と伝達について11項目、5.オーダーの管理機能について1項目、6.適切な診療支援について1項目、7.患者安全とICTについて2項目の計31項目である。調査結果の一次集計を行った後、集計結果を踏まえたブレーンストーミング形式の研究班会議を開催して、調査票で想定した7種類のICT利用時のリスクを回避するための望ましいシステム仕様および運用について検討を行った。2015年度はこの検討結果をたたき台として、いくつかの電子カルテシステムの実例を検証しながら、リスク回避のための推奨されるシステム仕様および業務運用手順に関するガイドラインの作成を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、ICT利用による医療安全上のリスクの把握、現状での病院における運用状況の調査、調査結果を踏まえた推奨される医療情報システム仕様および業務運用手順の作成の3つの段階で進行されるが、調査票の設計とこれを用いた調査を終え、調査結果に基づく検討段階に入っており、当初の計画通りに研究は進行していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度は、いくつかの電子カルテシステムにおける医療安全機能の実例の調査を行い、前年度に実施したアンケート調査結果の検討と合わせて、ICT利用による医療安全上のリスクを回避するために推奨される医療情報システム仕様および業務運用手順のガイドラインを作成する。また、国外における病院の機能に関する評価基準、とくにICT利用と医療安全に関する基準の調査を合わせて実施する。作成したガイドライン案の項目ごとに、論点を明確にし、必要な場合は電子カルテシステムの実運用の調査を繰り返して、実効的なガイドラインとしてブラッシュアップする予定である。ガイドラインおよびその作成プロセスに関して、国内の学会での発表を予定する。
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Causes of Carryover |
前年度から会議開催の繰り延べによる研究費の繰り越しがあり、2014年度はアンケート調査の実施など、ほぼ計画に沿って研究費が使用されたが、繰り越した研究費がそのまま、次年度に繰り越されることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は研究の最終年度であり、有益なガイドラインをまとめるために、精力的な実システム調査の実施と、検討会議で予定どおり研究費が使用される予定である。
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Research Products
(1 results)