2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25460855
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
梅里 良正 日本大学, 医学部, 非常勤講師 (60213485)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 幸宏 日本大学, 医学部, 助手 (10287641)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 患者安全 / 医療情報システム / 患者二重登録 / 入力エラー / 情報伝達エラー / 代行入力のリスク / 禁忌オーダーの回避 / 検査結果の確認忘れ |
Outline of Annual Research Achievements |
公益財団法人日本医療機能評価機構の認定病院患者安全推進協議会が収集し、分類したインシデントの集約結果を元に、病院においてICT利用により発生することが懸念されるトラブルのうち、医療の安全性ならびに医療の質に関係する事象を、留意すべき対象項目として設定した。これらに対するわが国の病院における対応の現状をアンケート方式で調査した。この結果を元に、ICT利用に伴う医療安全上のリスクに関し、1.同一患者の二重登録の防止、2.患者の間違い受付、3.緊急時の仮ID運用と事後の患者診療情報統合処理、4.患者を取り違えたオーダーの発信の回避、5.同一患者への重複オーダー、禁忌オーダーの回避、(1)相互作用禁忌、重複投与回避、(2)アレルギー、(3)年齢等患者特性による禁忌、(4)用法・用量チェック、(5)重複検査、6.必要な診療行為のリマインド機能、7.オーダーの確実な入力、8.オーダーの確実な伝達、(1)オーダーの変更・中止、(2)口頭指示、(3)代行入力、9.不要な指示のシステム内残留、10.検査結果・読影結果などの医師の確認忘れ防止機能、を具体的な対象項目として、それぞれリスクの概要、防止・回避のために求められる情報処理機能と想定される業務運用について、ガイドラインとして整備した。 ガイドラインを踏まえてアンケート調査結果をみると、病院で使用している医療情報システム機能や業務の運用には大きなバラツキがあり、今回抽出した医療安全上のリスクが強く懸念される病院も少なからず存在する。各病院が本ガイドラインに照らして情報システム機能や運用の見直しを行うことが推奨される。 今後は、ガイドラインの精緻化を進めるとともに、対象項目の拡大を図ることにより、病院における医療情報システム利用関連の患者安全の向上に大きく寄与できるものと考える。
|