2015 Fiscal Year Annual Research Report
有病者に対する医学的リハビリテーション適用度の指標化とサービス供給の分析研究
Project/Area Number |
25460859
|
Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
原田 和宏 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (80449892)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋立 博幸 杏林大学, 保健学部, 講師 (00369373)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | リハビリテーション / ニーズ / 適用 / サービス供給 / 分析的観察研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
医学的リハビリテーションサービスを適用する合理性を可視化するために,潜在ニーズの数量化の行ってきた.平成27年度は,医学的リハが処方された患者における9 カ月間のニーズの推移について検討した. 対象は和歌山市内の一医療機関に,新規疾患を発症後に入院し,リハが処方された患者70名とした.処方から9カ月間の追跡調査を行い,①疾患群による推移パターンの違い,②ニーズと実際のリハビリ時間,およびその後のADL利得との偏相関を検討した.制御変数は調査開始時のBarthel ADL index値とした. ニーズの推移について脊椎骨折を主とする骨関節疾患,股関節オペを主とする下肢関節術後,脳梗塞を主とする中枢神経系の3群で検討した結果,交互作用はなかったが群間と時間に主効果があり,初期から1カ月で有意に高まり,骨関節疾患は中枢神経系より高く3カ月以降で減少した. ニーズと理学療法・作業療法の週あたりの実施時間の関連は,偏相関係数がゼロに近く,関連が得られなかった.また,ニーズと同時点のADL値も相関がなかった.一方,ニーズとその後の9カ月間の利得は,偏相関係数が0.46で有意な中程度の関連性があったことから(統計的有意性 P = 0.012),潜在ニーズが高いほど,その後の機能的利得が大きい関係性を明らかにすることができた. 本研究は,医学的リハビリテーションの潜在ニーズの数量化,および数量化の意味づけを提起するものであった.また,潜在ニーズと実際のリハビリテーション時間に関連が得られなかったことから,医学的リハビリテーションサービスの需給バランスの乖離が示され,今後の『論理的な意思決定』に通じる研究の糸口として意義があると考えた.
|
Research Products
(7 results)