2013 Fiscal Year Research-status Report
心身症患者の自己評価-神経機構の解明と認知行動療法介入の効果-
Project/Area Number |
25460884
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 康弘 東北大学, 大学病院, 助教 (20375033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 太作 東北大学, 大学病院, 助教 (60375029)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 心身症 / 過敏性腸症候群 / 神経性食思不振症 / 自己評価 / 脳機能画像 |
Research Abstract |
雑誌『臨床精神医学』の「特集:これからの摂食障害臨床」に「摂食障害と脳機能画像」と題して総説を発表した(佐藤、福土『臨床精神医学』42(5):599-605, 2013)。神経性食思不振症を中心とする摂食障害の病態解明に向けた世界での取り組みを俯瞰し、本症の病態において報酬評価や認知柔軟性をつかさどるネットワークが重要な役割を演じている可能性について論じた。我々がPETで行った神経性食思不振症患者の中枢ヒスタミン受容体異常、fMRIによる神経性食思不振症患者の認知柔軟性課題施行中における腹外側前頭前皮質の活動低下の知見が、本症の病態解明に果たした役割も論じている。 平成25年9月にポルトガルのリスボンで開催された世界心身医学会(World Congress of Psychosomatic Medicine)に参加し、最新の研究動向について調査を行なった。心身症の心理機制、神経基盤についての発表を中心に視聴し、討議を行なった。 過敏性腸症候群および神経性食思不振症の患者に対する認知行動療法介入の無作為割付比較試験のプロトコル作成を行なった。概要は以下の通り:患者群と健常者群のベースラインにおける心理評価、fMRI課題による脳機能評価を行なう。患者群を無作為に認知行動療法群と支持的精神療法群に割り付ける。患者群には、介入後に心理検査と脳機能画像での再検を行なう。 心理検査BDI-II (Beck Depression Inventory)、SDS (Self-rating Depression Scale)、STAI (State Trait Anxiety Inventory)を試験的に購入した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初計画では初年度に予備実験を開始する予定だったため、その点では遅延を生じている。しかしプロトコルが完成間近であり、倫理委員会申請が認められれば大きく進展することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
過敏性腸症候群、神経性食思不振症、それぞれについて認知行動療法介入のプロトコルを大学病院医療情報ネットワークセンター(University hospital Medical information Network: UMIN)の臨床試験登録システムに登録する。次いで東北大学病院倫理委員会に承認申請を行なう。 自己評価課題を作成し、健常者での予備的行動実験を行なう。結果をもとに課題を修正する。次にAN患者、IBS患者、健常者に課題を実施して課題の有効性を検証して必要があれば修正する。この間に撮像体制の構築を平行して進める。撮像体制が整ったら新規撮像実験を行う。課題設定、撮像条件、機器の状態等の修正点、改良点を検討して適宜対応する。撮像が完了した患者は認知行動療法に導入、完遂した者から再撮像、再評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度実行しているのがプロトコル作成の段階までで、実際の実験開始に至っていないため差額が発生した。 実験を開始するため解析用コンピュータ、解析ソフトウエア、心理検査など物品を購入する。また、心理検査および認知行動療法を施行する心理士と、健常被験者への謝金の支払いも行う。
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Research Products
(1 results)