2014 Fiscal Year Research-status Report
心身症患者の自己評価-神経機構の解明と認知行動療法介入の効果-
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25460884
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 康弘 東北大学, 大学病院, 助教 (20375033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 太作 東北大学, 大学病院, 助教 (60375029)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 心身症 / 自己評価 / 神経性やせ症 / 過敏性腸症候群 / 認知行動療法 / 脳機能画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初倫理委員会申請を予備実験から介入研究まで単一の倫理申請で承認を得る計画だったが、後に詳述する通り、まず予備実験の倫理申請を別に行い、予備実験のデータが得られたところで本実験の倫理申請を改めて行なう方針に改めた。この方針に基づき、予備実験の計画を作成した。第1段階で人間の評価に関わる短文を人格・コミュニケーション能力の肯定的評価、知的能力・身体能力の肯定的評価、人格・コミュニケーション能力の否定的評価、知的能力・身体能力の否定的評価の計80種類作成した。予備実験の計画を倫理委員会に申請し、承認を得ている。認知行動療法介入研究の計画書も大部分を作成してあり、予備実験の結果を盛り込んで修正したら改めて倫理申請する予定となっている。 fMRI検査の実施には予備実験の結果を元に専用の課題作成を待たなければならない。しかし脳の体積を計測するボクセル単位形態計測、白質繊維を評価する拡散テンソル強調画像、特に課題を必要としない安静時fMRIは実施可能である。この3つの検査については九州大学、産業医科大学、千葉大学との共同研究として倫理申請し、承認を得た。 データ解析用ワークステーションHP Z420を購入した。併せて神経心理学的課題提示用ソフトウエア”Presentation”、脳画像データ処理に用いる行列演算解析ソフトウエア”MATLAB”、 学会発表/論文作成用の作図に必要な”Illustrator CC”、”PaintShop”も購入した。研究に必要な実験用課題作成からデータ解析、論文発表にいたるシステムが構築できた。 平成27年9月13,14日に第18回日本摂食障害学会に参加し、「脳機能画像でみる摂食障害患者の認知機能」と題する教育講演を行ない、摂食障害の病因、病態に関する最新の仮説を紹介した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初倫理委員会申請を予備実験から介入研究まで単一の倫理申請で承認を得る計画だった。しかしながら過敏性腸症候群の認知行動療法介入プロトコル案を東北大学臨床試験推進センターに提示して助言を仰いだ結果、まず予備実験の倫理申請を別に行い、予備実験のデータが得られたところで本実験の倫理申請を改めて行なう方針に改めた。 撮像を実施する東北大学加齢医学研究所ブレインイメージング棟のMRIスキャナーが平成27年8月にソフトウエアの更新を予定しており、撮像条件を統一するためには更新後に撮像を開始する必要があることも、開始時期が遅れている理由の一つである。
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Strategy for Future Research Activity |
予備実験は計画書の作成が完了して、倫理委員会の承認をすでに得ているので、新年度に速やかに開始する。過敏性腸症候群、神経性やせ症、それぞれについてプロトコルの大半が完成しているので、予備実験のデータが出たら、両方について研究プロトコルと倫理申請書を作成し、倫理申請を行なう。倫理申請が承認されたらfMRIを含むすべての実験を実施可能になるので、本格的に認知行動療法介入を開始する。 脳画像の撮像については、形態画像の研究計画が完成して倫理委員会の承認をすでに得ている。8月にMRIスキャナーのソフトウエア入れ替えが完了すれば撮像を開始できる。
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Causes of Carryover |
予備実験の倫理申請を介入研究から独立させたことで手続きが遅れ、MRIスキャナーのソフトウエア入れ替えまで脳画像の撮像開始時期がずれ込んだ。このために予備実験、本格介入の開始を平成27年度に行なうことになった。従って参加者謝金、心理評価に用いる質問紙の代金、心理士への謝金が平成26年度中には使用できず、次年度使用額が発生することになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験を開始すれば、健常参加者への謝金、質問紙式心理検査によって次年度使用額は利用可能となる。さらに認知行動療法介入を開始後は、心理士に対して知能検査、認知行動療法検査への謝金が必要となるので、これでも次年度使用額を利用できる。
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Research Products
(1 results)