2014 Fiscal Year Research-status Report
在宅緩和ケアにおける地域連携クリニカルパスおよび緩和ケアチームの有用性の検証
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25460892
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
菓子井 達彦 富山大学, 附属病院, 特命教授 (00313619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田辺 公一 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 特命准教授 (30709704)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 在宅医療 / 緩和ケア / 在宅見取り率 / クリニカルパス / がん / 生存率 / 終末期 / 地域連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究には以下の2つの目的がある。すなわち、1)高岡医療圏で開発された在宅緩和ケア地域連携クリニカルパス(以下、連携パス)とアウトリーチ介入の有用性調査(質問紙調査およびインタビュー調査)、並びに、2)これらの介入が在宅移行率や在宅看取り率に与える影響の調査である。 このうち、1については、実臨床における連携パスの実施可能性試験を行い、インタビュー調査と診療録を基にした解析を行った結果、その有用性と実施可能性が確認された。この成果は、American Journal of Hospice and Palliative Medicine誌に受理・掲載された。 また、2については、両介入と在宅緩和ケアを受けた「在宅療養群」と対照群である「病院療養群」の間に生存率の差を認め、傾向スコアマッチング法により交絡因子を調整しても在宅療養群の方が予後が良いことを明らかにした。この成果は、BMC Palliative care誌に受理・掲載された。 上記の通り、平成26年度は計画通り研究を進めることができ、2報の論文を海外誌に発表することができた。いずれの学術誌もインパクトファクターのついた引用回数の多い雑誌であり、今後の在宅緩和ケア分野における研究のさらなる推進に貢献できる結果を残せたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文投稿時の査読にて、予定していた多変量解析よりもさらに信頼性が高い手法での統計解析(傾向スコアマッチング)を求められたが、対応している解析ソフトを購入し、速やかに対処することができた。また、連携パスとアウトリーチについても、その有用性と実施可能性を論文として報告できた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、遺族へのインタビュー調査と、その内容分析が終了しており、質問紙を作成中である。本質問紙を遺族に配布し得られた回答を解析することで、患者や遺族の視点から連携パスやアウトリーチの有用性を評価し、結果を関連する学術大会や学術雑誌で発表する予定である。 また、連携パスやアウトリーチは、病院内の医療者だけではなく、地域医療者との協働により成り立つため、地域医療者から見た評価も必要であると考えられる。したがって、訪問看護師等にも協力を仰ぎ、上記介入における地域連携・多職種協働の有用性を評価することも予定している。この点については、すでにデータの収集・解析は概ね終了しており、次年度には成果発表を主に行う予定である。
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