2013 Fiscal Year Research-status Report
高齢進行肺癌患者における、VES-13ならびにMMSEの有用性に関する検討
Project/Area Number |
25460896
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
安藤 昌彦 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (10322736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷 哲成 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30621635)
森瀬 昌宏 独立行政法人国立がん研究センター, 東病院呼吸器内科, がん専門修練医 (00612756)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高齢者 / がん / 化学療法 / 機能評価 / アウトカム予測 |
Research Abstract |
本研究では、高齢者の代表的ながん種である進行非小細胞肺癌を対象に、脆弱性評価指標Vulnerable Elders Survey -13(VES-13)ならびに認知機能評価指標Mini-Mental State Examination(MMSE)について、両者の関連の程度ならびに予後や治療アウトカムとの関連について検討する。研究計画書ならびに患者説明同意文書を作成し、現在までに12施設において倫理審査承認が得られ、25症例が登録されVES-13・MMSE評価を実施した。 対象者の年齢は中央値72歳(範囲65-78)、VES-13スコアは中央値1点(0-7)、MMSEスコアは中央値26点(23-30)、また合併症スコアであるCharlson Indexは中央値1点(0-4)であった。年齢との相関係数はVES-13で0.09、MMSEで0.10であり、年齢との関連は見られなかった。またVES-13とMMSEの相関係数は-0.16で、脆弱性が高いほど認知機能は低下する方向であるものの関連は弱いことから、両者は年齢と独立して予後・治療アウトカムに影響を及ぼす可能性があり、引き続き評価する価値があると考えられる。 ベースラインデータならびに予後・治療アウトカムについては、参加施設からWeb入力するシステムの構築を完了し運用中であり、26年度は症例集積を続けるとともにアウトカムに関する情報収集を進める。 関連する研究として、70歳以上の進行非小細胞肺癌に対するプラチナ製剤を含む併用化学療法の忍容性予測に関する後ろ向き研究を実施しており、198例のデータ集積を終了した。日常臨床で得られる情報の中で、化学療法による血液・非血液毒性をはじめ、腫瘍増大がみられないにも関わらず標準的な4コースの治療を完遂できない「unfit patient」と関連する要因を探索し26年度中に学会発表を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書ならびに患者説明同意文書を作成し、現在までに12施設において倫理審査承認が得られ症例登録可能となっている。参加施設は当初2施設であり、多施設共同の研究組織立ち上げはこれまで順調に進んでいる。専任のインタビュー担当者を雇用して適宜派遣しており、参加施設医師の負担を軽減するともに、判定基準を揃えて評価できる体制となっていることは研究遂行上重要な点である。 ベースラインデータならびに予後・治療アウトカムについてはWebシステムを構築済みで各施設から直接入力されている。現在のところ観察終了3例で全データ入力完了、それ以外の生存例では直近2例を除きベースラインデータ等の入力が完了している。本システムではデータ入力状況を月毎に未入力や入力内容不整合をチェックし、入力・修正が必要な箇所を列記したリマインドメールを参加施設へ自動配信しており、研究者による個別のチェックと併せてデータの信頼性を高めるための対策を実施している。 今年度の課題としては、症例集積のペースをどのように加速するかが挙げられる。本研究の目的の一つとしてVES-13・MMSEが全生存期間や有害事象、治療コンプライアンスの独立した予測因子となり得るかどうかを探索的に検討することから、対象患者が受ける化学療法の種類は可能な限り少数に絞ることが望ましいが、症例集積速度とのバランスの中で今後見直しを適宜行う。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度は本研究の症例登録を続行し、データの収集に努める。症例集積のペースを加速するための方策として、参加施設をさらに拡充するよう働きかけを行う。また、本研究の対象者は予め特定された2レジメンのいずれかによる化学療法を受ける患者に制限してきたところであるが、これを緩和して他のレジメンによる化学療法を受ける患者についても本研究への組み入れ可能とするかどうか検討する。 関連する研究である「70歳以上の進行非小細胞肺癌に対するプラチナ製剤を含む併用化学療法の忍容性予測に関する後ろ向き研究」については現在、統計解析中であり、そこで得られた知見については学会発表・論文化を進めるともに、本研究における調整要因として取り扱う必要があるか等の検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度研究期間中に施設倫理申請を行った施設について、審査に時間を要し研究開始が年度後半となった施設が多数となったため未使用額が生じた。 現在は12施設で症例登録可能となっており、症例登録の蓄積に伴って26年度はインタビュー担当者の費用やデータ管理費用などで使用する。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Efficacy and safety analysis by histology of S-1 in combination with carboplatin as first-line chemotherapy in patients with advanced non-small cell lung cancer: Updated results of a West Japan Oncology Group LETS study2013
Author(s)
Yoshioka H, Okamoto I,Morita S, Ando M, Takeda K, Seto T, Yamamoto N, HideoSaka, Asami K, Hirashima T, Kudoh S,Satouchi M, Ikeda N, Iwamoto Y, Sawa T, Nakanishi Y, and Nakagawa K
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Journal Title
Ann Oncol
Volume: 24
Pages: 1326-1331
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Histology and smoking status predict survival of patients with advanced non-small-cell lung cancer: Results of West Japan Oncology Group (WJOG) Study 3906L2013
Author(s)
Kogure Y, Ando M, Saka H, Chiba Y, Yamamoto N, Asami K, Hirashima T, Seto T, Nagase S, Otsuka K, Yanagihara K, Takeda K, Okamoto I, Aoki T, Takayama K, Yamasaki M, Kudoh S, Katakami N, Miyazaki M, and Nakagawa K
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Journal Title
J Thorac Oncol
Volume: 8
Pages: 753-758
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] A phase III study of laparoscopy assisted versus open distal gastrectomy with nodal dissection for clinical stage IA/IB gastric cancer (JCOG0912)2013
Author(s)
Nakamura K, Katai H, Mizusawa J, Yoshikawa T, Ando M, Terashima M, Itoh S, Takagi M, Takagane A, Ninomiya M, Fukushima N, and Sasako M
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Journal Title
Jpn J Clin Oncol
Volume: 43
Pages: 324-;327
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Randomized phase III trial of erlotinib (E) versus docetaxel (D) as second- or third-line therapy in patients with advanced non-small cell lung cancer (NSCLC) who have wild-type or mutant epidermal growth factor receptor (EGFR): Docetaxel and Erlotinib Lung Cancer Trial (DELTA).2013
Author(s)
Okano Y, Kawaguchi T, Ando M, Asami K, Fukuda M, Nakagawa H, Ibata H, Kozuki T, Endo T, Tamura A, Kamimura M, Sakamoto K, Yoshimi M, Soejima Y, Tomizawa Y, Isa S, Takada M, Saka H, and Kubo A
Organizer
Annual Meeting of American Society of Clinical Oncology
Place of Presentation
シカゴ、アメリカ合衆国
Year and Date
20130531-20130604