2014 Fiscal Year Research-status Report
高齢進行肺癌患者における、VES-13ならびにMMSEの有用性に関する検討
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25460896
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
安藤 昌彦 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (10322736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷 哲成 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30621635)
森瀬 昌宏 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00612756)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高齢者 / がん / 化学療法 / 機能評価 / アウトカム予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高齢者の代表的ながん種である非小細胞肺癌を対象に、脆弱性評価指標Vulnerable Elders Survey-13 (VES-13) ならびに認知地機能評価指標Mini-Mental State Examination (MMSE) について、両者の関連の程度ならびに予後や治療アウトカムとの関連について検討する。 現在までに14施設から68例が登録され、VES-13・MMSE評価を実施した。対象者の年齢は中央値72歳(範囲65-84)、VES-13スコアは中央値1点(0-7)、MMSEスコアは中央値27点(23-30)、また合併症スコアであるCharlson Indexは中央値0.5点(0-4)であった。年齢との相関係数はVES-13で0.08、MMSEで-0.01であり、年齢との関連はみられなかった。またVES-13とMMSEの相関係数は-0.11で、脆弱性が高いほど認知機能は低下する傾向であるものの関連は弱いことから、両社は年齢と独立して予後・治療アウトカムに影響を及ぼす可能性があり、このまま症例集積を続け最終解析を行う。 ベースラインデータならびに予後・治療アウトカムについては、参加施設からWeb入力するシステムを運用しており、このまま予定症例数である120例まで情報収集する。 関連する研究として、70歳以上の進行非小細胞肺癌患者に対するプラチナ製剤を含む併用化学療法の忍容性予測に関する後ろ向き研究を実施した。198例のデータにおいて、血清アルブミン低値が、腫瘍増大がみられないにも関わらず2サイクルの化学療法を完遂できない症例の予測に役立つ可能性があるとの結論を得て、国際学会で結果発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに14施設において倫理審査承認が得られ、症例登録可能となっている。専任のインタビュー担当者を雇用して各施設へ適宜派遣しており、参加施設医師の負担を軽減しつつ、高齢者機能評価に関する判断基準をそろえて評価するという重要な点を考慮した体制を維持している。 ベースラインデータならびに予後・治療アウトカムについてはWebシステムを構築して各施設から入力がなされており、現在のところ20症例で治療アウトカムまで含めたデータ入力完了、34例で治療中または追跡中のためデータ入力中、14例はベースラインデータ入力完了の状態である。本システムではデータ入力状況について月毎に未入力や入力内容不備をチェックし、入力・修正が必要な必要な箇所を列記したリマインドメールを参加施設へ自動配信しており、研究者による個別のチェックと併せてデータの信頼性を高めるための対策を実施している。 今年度は最終年度であり、目標症例数120例へ到達するために症例集積を加速する必要がある。本研究の目的の一つとしてVES-13・MMSEが全生存期間や有害事象、治療コンプライアンスの独立した予後因子となり得るかどうかを探索的に検討することから、対象患者が受ける化学療法の種類は可能な限り少ないことが望ましいものの、症例集積速度を勘案して26年度途中から登録可能症例の化学療法レジメン限定を解除した。各参加施設へ改めてそのことを周知し、より多くの症例登録を行うよう働きかける。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は本研究の症例登録を続行し、目標症例数120例へ向けてデータ収集に努める。症例集積を加速するため、平成26年度に引き続き、試験開始時に定めた2レジメン以外の化学療法を受ける患者についても本研究への組み入れを行う。 関連する研究である「70歳以上の進行非小細胞肺癌患者に対するプラチナ製剤を含む併用化学療法の忍容性予測に関する後ろ向き研究」については、現在論文投稿準備中であり、早急に投稿する。
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Causes of Carryover |
症例登録のあった施設が名古屋市内でインタビュー担当者の交通費が発生しなかったり、施設内スタッフで高齢者機能評価を行ったためインタビュー担当者の派遣が不要であったケースがあったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後の症例登録を加速させ、インタニュー担当者の費用やデータ管理費用などで使用する。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Haloperidol Prophylaxis is not Effective for Preventing Postoperative Delirium in Elderly Patients: A Randomized, Open-label Prospective Trial2014
Author(s)
Fukata S, kawabata Y, Fujisiro K, Katagawa Y, Kuroiwa K, Akiyama H, Terabe Y, Ando M, Kawamura T, and Hattori H
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Journal Title
Surg Today
Volume: 44
Pages: 2305-2313
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Randomized phase III trial of erlotinib versus docetaxel as second- or third-line therapy in patients with advanced non-small cell lung cancer: Docetaxel and Erlotinib Lung cancer TriAl (DELTA)2014
Author(s)
Kawaguchi T, Ando M, Asami K, Okano Y, Fukuda M, Nakagawa H, Ibata H, Kozuki T, Endo T, Tamura A, Kamimura M, Sakamoto K, Yoshimi M, Soejima Y, Tomizawa Y, Isa S, Takada M, Saka H, and Kubo A
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Journal Title
J Clin Oncol
Volume: 32
Pages: 1902-1908
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] First-line gefitinib therapy for elderly patients with non-small cell lung cancer harboring EGFR mutation: Central Japan Lung Study Group 09012014
Author(s)
Takahashi K, Saito H, Hasegawa Y, Ando M, Yamamoto M, Kojima E, Sugino Y, Kimura T, Nomura F, Ogasawara T, Shindoh J, Yoshida N, and Suzuki R
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Journal Title
Cancer Chemother Pharmacol
Volume: 74
Pages: 721-727
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] A phase III study comparing amrubicin and cisplatin with irinotecan and cisplatin for the treatment of extensive-disease small cell lung cancer (ED-SCLC): JCOG05092014
Author(s)
Satouchi M, Kotani Y, Shibata T, Ando M, Nakagawa K, Yamamoto N, Ichinose Y, Ohe Y, Nishio M, Hida T, Takeda K, Kimura T, Minato K, Akira Y, Atagi S, Fukuda H, Tamura T, and Saijo N
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Journal Title
J Clin Oncol
Volume: 32
Pages: 1262-1268
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Can we predict serious adverse events (SAEs) and clarify unfit population for platinum-based chemotherapy in elderly patients (over 70 years of age) with advanced Non-small cell lung cancer (NSCLC)? (CJLSG 1203 trial)2014
Author(s)
Kato Toshio, Morise M, Ando M, Kojima E, Ogasawara T, Suzuki R, Shindoh J, Matsumoto M, Sugino Y, Ogawa M, Nozaki Y, Kondo M, Saito H, and Hasegawa Y
Organizer
European Society for Medical Oncology (ESMO) 2014
Place of Presentation
Madrid, Spain
Year and Date
2014-09-26 – 2014-09-30