2014 Fiscal Year Annual Research Report
2型糖尿病における骨質劣化および骨折リスクに関する研究
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25460898
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
山口 徹 島根大学, 医学部, 准教授 (00239899)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 骨細胞 / 糖尿病 / 終末糖化産物 / 骨代謝回転 / 骨脆弱性 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病や加齢に伴い増加するAdvanced glycation end products(AGEs)は骨粗鬆症における骨質劣化に関与する。近年、骨細胞はsclerostin (SOST)、RANKLなど様々な因子を産生し、骨芽細胞や破骨細胞機能の調節に重要であることが明らかとなった。しかしながら、AGEsが骨細胞機能に及ぼす影響は不明であるため、AGE2,3が骨細胞様細胞MLO-A2のSOST, RANKL及びアポトーシスに及ぼす影響を検討した。MLO-A2の培養上清にAGE2, 3を添加し、SOST、RANKLのmRNAや蛋白発現をreal-time PCR、Western blot、ELISAにより測定した。また、AGE2,3がMLO-A2のアポトーシスに及ぼす影響をELISAにより測定した。さらにPTHがそれらの作用に及ぼす影響を検討した。 100 μg/mL AGE2,3はMLO-A2のSOST発現を増加させ、siRNAによる内因性RAGE発現の抑制はその作用を減弱させた。さらにAGE2,3は添加後72時間よりMLO-A2のアポトーシスを促進させた。一方、10-8 M hPTH-(1-34)添加は、AGE2,3のSOST発現促進及びアポトーシス促進作用を軽減した。RANKL発現はAGE2,3添加後48時間までは減少したが、アポトーシスが促進する72時間後より増加していた。AGEsが骨細胞においてSOST発現を増加させ骨芽細胞機能を抑制し、アポトーシス及びRANKL発現を促進させ破骨細胞機能を増強することは、それぞれ糖尿病における骨形成抑制及びcortical porosity増加の病態に合致し、その機序を説明するものと思われた。さらに、PTHはこの病態を改善することにより、糖尿病の骨病変の治療に有効な可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)