2013 Fiscal Year Research-status Report
生体表面の硬さ分布と硬結を画像として表示する計測機器の開発
Project/Area Number |
25460916
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
有馬 義貴 常葉大学, 健康プロデュース学部, 教授 (80309129)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
犬塚 博 静岡大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80176411)
中澤 寛元 常葉大学, 健康プロデュース学部, 准教授 (50387932)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 硬さ / 硬さ測定 / 硬さ分布 / 軟部組織 / 硬結 / 測定器開発 |
Research Abstract |
I.多点計測を目的とした硬さ計測機の接触子の大きさ、接触圧、押込速度、測定面の角度の影響を確認することで硬さの検出力・再現性の基本情報の蓄積と、II.硬結モデルの試作を計画した。 【目的】Iは、すでに押込速度、測定面の角度について詳細な検討を終えている生体用組織硬さ計(PEK-1、井元製作所)の先端機構を流用し、接触圧(主軸バネ強度)を検討した。IIは前腕筋肉モデルを作成するための包埋物を模索した。 【方法】I.1)ヒト軟部組織を模した6種ゲルシート(刺鍼練習台5型、日進医療器)の硬さを、バネ強度200、300、400、500、600、700、800、900、1000gで測定し、同時に測定時荷重を計測した。2)シリコン硬結包埋モデル(中村ブレイス)と乳癌触診モデル(京都科学標本)の硬さをバネ強度200、500、1000gで測定し、分布図を作成した。II.人肌ウレタン土台に異なる大きさ・硬さの人肌ウレタン、シリコン、針金を包埋させてヒトの感覚で評価した。 【結果・考察】1)硬さ弁別能は軟らかい物では弱いバネ、硬い物では強いバネが高かった。バネ強度500gの平均値が全測定レンジの中央に最も近く、レンジ幅が最も広かった。2)シリコン硬結包埋モデルの硬結はバネ強度によらず描出できたが、乳癌触診モデルでは500gでの描出が最も優れていた。乳癌触診モデルは曲面で構成され、単に硬い物体が包埋されているのではなく、えくぼ症候を伴う癌、皮膚陥凹を伴う癌、線維腺腫、乳腺癌の硬さが再現されている。えくぼ症候を伴う癌以外の三種は描出できたことから接触子の大きさも妥当だと判断した。ここまでで研究計画の計測器の開発(接触部の検討)と硬さ指標としての妥当性の評価と、硬結モデルによる硬結描出能の評価の一部が完了した。II.現時点では人肌ウレタン表面に紙加工物を付着させたものが候補となっている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では主軸と補助筒で構成される測定器先端部にかかる予算を抑えるために、補助筒固定型への変更を予定しており、押込速度、測定面の角度、接触子の大きさ等の基礎情報の蓄積が必要であった。しかし、共同研究者および企業の設備向上によって生体用組織硬度計(PEK-1)の機構の流用ができたため、検討項目を絞りこむことが可能となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
硬さ分布表示プログラムを製作し、前腕筋および微小硬結モデルを完成させ、硬結描出限界について検討した後、人体への応用を実施する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究分担者(静岡大学 犬塚博)への分担金の振替手続きが執行されていなかったため。 分担金振替手続きを行い、研究分担者犬塚氏担当分の研究を遂行する。
|