2015 Fiscal Year Research-status Report
生体表面の硬さ分布と硬結を画像として表示する計測機器の開発
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25460916
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
有馬 義貴 常葉大学, 健康プロデュース学部, 教授 (80309129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
犬塚 博 静岡大学, 工学部, 教授 (80176411)
中澤 寛元 常葉大学, 健康プロデュース学部, 准教授 (50387932)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 硬さ / 硬さ測定 / 硬さ分布 / 軟部組織 / 左右差 / 動的測定 / 診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】鍼通電で選択的単一筋収縮を制御した硬度勾配モデルや発揮筋力による硬度勾配モデルで生体応用を示す予定だったが、硬さ測定による電極鍼深度への影響、持続収縮による筋疲労と虚血痛、通電の痛みによる反射性収縮などで十分な再現性をもつ描出画像が得られなかった。そこで測定時短と再現性を考慮しつつ関節運動に伴う硬さ分布の左右差から硬さ連続計測の生体応用・臨床活用を検討した。【方法】硬さ測定は開発したシステムを用いた。対象は疼痛誘発試験で明確な陽性反応が認められないが左上腕骨外側上顆炎が疑われる男性とし、長橈側手根伸筋、総指伸筋、橈側手根屈筋、前脛骨筋について中間位と背屈・掌屈位の左右の硬さ分布を測定・観察した。罹患筋と考えられる長橈側手根伸筋には動的測定を試みた。【結果】対照筋では中間位と背屈・掌屈位において左右で同様の分布を示し、罹患筋は背屈位で異なる分布を示した。動的測定では背屈で値が大きくなる点と小さくなる点があり、患側外側上顆より遠位4、5、6cmで対側に比較して顕著に大きな値になった。【考察】硬さ分布の左右差が明確な陽性反応が認められない上腕骨外側上顆炎における客観的な診断情報となる可能性を示唆する。動的測定は治療における変化表示に有用と考えられるが、関節運動や筋収縮で硬さの値が小さくなる場合や押圧力による影響など検討すべき課題が残されている。その他に、これまでの筋疲労時に弛緩時と収縮時の硬さの差が小さくなるという結果との矛盾も考えられ、現象については更に検討が必要である。【結語】障害や症状のない筋では硬さの左右分布が近似し、筋の付着部の障害が筋収縮時の硬さ分布の左右差で評価できる可能性が示唆され、硬さ観察点を決定するためのスクリーニングとして動的測定は一定の有用性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
単一筋の選択的収縮を鍼通電量で制御した硬度勾配生体モデルと発揮筋力による硬度勾配生体モデルの問題点を踏まえ、測定時短と再現性を考慮した生体応用の実験を追加したところ、硬さのライン分布における左右差が有用な診断及び効果判定情報となり得る可能性が示唆された。また、同時に動的硬さ計測への発展を示すものとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
追加実験を学会発表するとともに、データを踏まえた硬さモデルを製作と論文執筆・英文校正・投稿を行う。
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Causes of Carryover |
モデルに包埋する硬結の大きさを決定するための情報を生体の硬さ測定値に依拠するための実験データ収集を優先し、それに伴い硬結モデル完成と論文の執筆の作業を持ち越し実施した生体実験である単一筋の選択的収縮を鍼通電量で制御し、硬度勾配のあるモデルを測定することで生体応用を示す予定だったが、硬さ測定による電極鍼深度への影響、持続通電による筋疲労と虚血痛、通電量増加の痛みによる反射性収縮などにより再現性のある描出画像が得られなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
追加実験を学会で発表するとともに、データを踏まえた硬さモデルを製作と論文執筆・英文校正・投稿を行う。
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Research Products
(2 results)