2014 Fiscal Year Research-status Report
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25460934
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
五艘 行信 北里大学, 医学部, 准教授 (20112659)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ムチン / 糖鎖 / グライコーム / 胃粘膜 / 粘液 / 質量分析計 / ヒドラジン処理 / ピーリング |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の計画に基づいて,ムチン糖鎖プローブの開発を行った。具体的には,還元末端が還元性を保持している糖鎖の調製法の検討を行った。モデル糖タンパク質として,市販の豚胃ムチンを部分精製したもの,および子牛血清フェツインを用いた。ムチン糖鎖の切り出し条件として,当初の計画に基づいて,気相でのヒドラジンによる処理を採用し,同時に起こる分解(ピーリング)の抑制条件を検討した。その結果,弱酸であるマロン酸を反応系に添加するとピーリングが抑制されることを見いだした。糖鎖の切り出し反応条件について詳細に検討し,10μモルが至適量であることがわかった。また,マロン酸以外の弱酸にも同じ抑制効果があるが,マロン酸が最も効果的であることも見いだした。 この方法が,ラット胃ムチンの糖鎖に応用できるかを検討したところ,マロン酸を加えない反応条件では,ほとんどの生成物が分解産物であったのに対し,マロン酸を加えた場合には,多くの分解無しの糖鎖が得られることが明らかになった。 以上の結果は,これまで困難とされてきた、還元性を保持するムチン型糖鎖が調製可能になったことを示す。この成果を基に,糖鎖の異性体分離など,今後の検討課題を遂行する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画における目標の1つが,おおむね達成された。
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Strategy for Future Research Activity |
糖鎖の異性体分離など,検討課題を遂行し,糖鎖プローブの作成法を完成させる。次に,得られた糖鎖プローブを用いた解析を行う。
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Causes of Carryover |
今年度購入予定の機器が,大学向けサービスキャンペーンによって前年度に購入できたため余裕が生じた。また,予定していた論文投稿が次年度になった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文作成費用(英文校正,投稿料)および,物品費として使用予定である。
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