2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25460942
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
藤村 理紗 千葉大学, バイオメディカル研究センター, 助教 (30376363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幡野 雅彦 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20208523)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | DSS誘導腸炎モデル / 腸管神経 / 腸内細菌科 / dysbiosis / 好酸球 |
Outline of Annual Research Achievements |
DSS誘導腸炎モデルにおいて、Ncx-KOマウスは高い致死率と著しい体重減少を認め、高率に血便を呈した。Ncx-KOマウスでは腸管神経が増多しており、腸管における恒常性維持において、腸管神経の役割について解析を進めた。(1)腸管神経と腸内フローラとの関わりに関する解析:Ncx-KOマウスにおけるDSS誘導腸炎モデル下において、抗生物質投与によって症状が改善されたことから、Ncx-KOマウスの腸管では、dysbiosisが起きていると考えられた。マウス糞便について、MacConkey培地を用いて発育した細菌数は、Ncx-KOマウスでは、野生型と比較して10-1000倍増加した。さらに、Ncx-KOマウスの糞便DNAでは、腸内細菌科の菌が10-1000倍増加した。一方で、Ncx-KOマウスの大腸組織では、神経系由来NO合成酵素の発現が亢進していることから、NOの腸内細菌叢への影響が考えられた。NO還元酵素norVをもつ細菌は、脱窒反応を行い、ATPを合成し、嫌気条件において生育する。norVを持つ大腸菌は、マクロファージ由来NOによる増殖抑制を受けないことが報告されている。Ncx-KOマウス糞便では多くの個体が高いnorV遺伝子の含有を示した。以上の結果から、Ncx-KOマウスの腸管では、dysbiosisが起きていることが明らかとなった。(2)腸管神経と腸管免疫細胞との関わりに関する解析:腸管において、神経とリンパ球は、組織学的に近接しており、それらの相互作用についてフローサイトメトリー法を用いて調べた。Ncx-KOマウス小腸の粘膜固有層では、好酸球の増加(CD11b+CCR3+)および活性化(siglecF+、CD63+)、また、骨髄細胞では好酸球分化がみられた。以上の結果について、好酸球増多が、腸管神経過剰によるものか、または、細菌感染などの二次的な影響によるのかについて、組織のケモカインの発現解析、組織学的な解析により引き続き研究を続けている。
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Research Products
(4 results)