2013 Fiscal Year Research-status Report
全エクソンシーケンスによる非特異性多発性小腸潰瘍症の原因遺伝子同定
Project/Area Number |
25460953
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梅野 淳嗣 九州大学, 大学病院, 助教 (70621704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 主之 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (10278955)
森山 智彦 九州大学, 大学病院, 助教 (20452758)
江崎 幹宏 九州大学, 大学病院, 講師 (50335957)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 非特異性多発性小腸潰瘍症 / エクソームシークエンス / 次世代シーケンサー / 常染色体劣性遺伝 / 小腸疾患 |
Research Abstract |
非特異性多発性小腸潰瘍症(CNSU)の15家系24例(患者16例、非発症者8例)から書面による同意が得られた。4家系6症例(CNSU患者5例、非発症者1例)においてエクソームシークエンスを行った。血族結婚を有する3家系3症例において、dbSNP135に未登録の非同義的もしくはスプライス部位の変異がホモ型にみられる遺伝子は9個のみであった。同胞発症である2症例においても同9遺伝子内に変異を認めた。非発症者1例の情報で候補遺伝子を除外したところ、遺伝子Aのみに絞り込まれた。日本人コントロール検体747例では、3例においてエクソン7のスプライス部位の変異をヘテロ型で有していたが、他3ヶ所の変異は全くみられなかった。他CNSU患者11例について同遺伝子内のエクソン領域の変異を検索したところ、11例中10例にタンパクの機能変化をきたしうる遺伝子変異をホモ変異もしくはコンパウンドヘテロ変異として有していた。以上よりCNSUの原因遺伝子として遺伝子Aを同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エクソームシークエンスを用いた解析から非特異性多発性小腸潰瘍症の原因遺伝子を同定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
非特異性多発性小腸潰瘍症は、炎症性腸疾患の一つであるクローン病との鑑別が臨床的に難しく、正しく診断されていない可能性があるため、クローン病と診断されている患者の既採取ゲノム検体を用いて、同定した遺伝子内の変異の有無を検討する。また同遺伝子についての機能解析を行い、学会発表・論文執筆を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度にエクソームシークエンスで原因遺伝子候補の絞り込みを行い、全ての候補遺伝子についてダイレクトシーケンスを用いて再現性を確認する予定としていたが、候補遺伝子を1個に絞り込むことが可能であった。また同遺伝子内の変異の一部は制限酵素を用いてタイピングすることが可能であったため。 クローン病患者検体についてダイレクトシーケンスを行い、非特異性多発性小腸潰瘍症との遺伝的相違を確認するとともに正しく診断されていない患者を同定する。
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