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2014 Fiscal Year Research-status Report

間葉系幹細胞依存性腫瘍増殖機構の解明

Research Project

Project/Area Number 25460955
Research InstitutionSapporo Medical University

Principal Investigator

苗代 康可  札幌医科大学, 医療人育成センター, 講師 (80347161)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 有村 佳昭  札幌医科大学, 医学部, 講師 (80305218)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords骨髄間葉系幹細胞 / MSC依存性腫瘍増殖 / MSCニッチ
Outline of Annual Research Achievements

本研究計画は,1.MSC-dependent angiogenesis(MSC-DA)におけるten eleven translocation 1-3 (TET1-3)/ activation-induced cytidine deaminase (AID) 発現の意義,2.MSC-DA以外のMSC依存性腫瘍増殖機構の解明の2つのテーマをそれぞれ前期および中後期のスケジュールで重点的に研究する.申請者は,これまでにMSCがある種のヒト大腸癌の異種移植腫瘍の生着・増殖を促進することを示した.
1.MSC-DAにおけるTET1-3/AID発現の意義:TET1-3に関しては,まず,おのおの単独の合成siRNAによる一過性のKD株を樹立した.次にTET単独あるいはAID(KD安定株)との組み合わせによるダブルKD(DKD),トリプルKD(TKD)およびクアドラKD(QKD)を樹立した.その後,CXCL12プロモータにおけるDNAメチル化レベルをpyrosequencerにより定量的解析を行なった.その結果,残念なことにTET/AID がこの系においてDNA脱メチル化酵素として作用しないことが判明した.
2.MSC-DA以外のMSC依存性腫瘍増殖機構の解明:MSC依存性大腸癌細胞株COLO320および非依存性株HT-29とMSC共培養によって発現が亢進するMSCニッチシグナルを詳細に検討したところ,Vcam1, Cxcl12, E-cadherin, Jag1およびCcl5が同定された.これらのニッチシグナルを中和抗体あるいは低分子化合物により遮断した場合の細胞増殖に与える影響を検討した.その結果,E-cadherinシグナルはHT-29の増殖を抑制し,p38経路を活性化した.一方,その他のニッチシグナルは,COLO320の増殖を促進し,Aktシグナルを活性化した.さらに,MSCが上皮間葉転換(EMT)を誘発するか否か検討した.その結果,HT-29では,間葉上皮転換(MET)を誘導し,これがE-cadherinを介する細胞増殖抑制機序であった.現在MSC依存性の機序を検討するために,COLO320においてVEGF過剰発現細胞およびC XCL12KD細胞を樹立しxenograftを作成している.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

TET/AIDがCXCL12プロモータにおいてDNA脱メチル化酵素として作用しないことが判明したため,当初の計画とは異なり,MSC依存性腫 瘍増殖機構の解明に研究の重点をシフトして継続している.その結果,MSCニッチシグナルの一端が解明された.すなわち,MSC非依存性のHT-29では,MSCはMETを介してその細胞増殖を抑制した.一方,MSC依存性COLO320では,ニッチシグナルを介して,その細胞増殖を促進した.したがってMSCはcontextに応じて正反対のニッチシグナルにより癌細胞の増殖を調節する興味深い結果が得られた.また,MSC依存性そのものの機序に関しても今後さらに検討を加える予定である.総合すると概ね順調に進展していると判断された.

Strategy for Future Research Activity

これまでの検討により,MSCニッチシグナルの役割の一端が解明された.今後は,MSC依存性そのものの機序解析を予定している.COLO320をMSC非依存性へ,あるいは反対にHT-29をMSC依存性腫瘍へ転換する遺伝子操作などに挑戦する.すなわち,レンチウイルスを用いてVEGFを強制発現,あるいは,CXCL12をノックダウンしたCOLO320のどちらがMSC非依存性を獲得するか検討する.その結果をみて,HT-29を使用し,同様な検討をするか否かを決める予定である.

Causes of Carryover

次年度への繰越は,わずかであり,物価の変動や研究計画の修正に伴う経費の変動によるものである.

Expenditure Plan for Carryover Budget

繰越額はわずかであり,次年度における試薬などの消耗品に充てる予定である.

  • Research Products

    (4 results)

All 2015 2014

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Stem cell therapy for inflammatory bowel disease2015

    • Author(s)
      Nagaishi K, Arimura Y, Fujimiya M
    • Journal Title

      J Gastroenterol

      Volume: 50 Pages: 280-6

    • DOI

      10.1007/s00535-015-1040-9

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 間葉系幹細胞による消化管再生医療2014

    • Author(s)
      有村佳昭, 小野寺 馨,一色裕之,川上賢太郎
    • Journal Title

      G.I. Research

      Volume: 22 Pages: 435-42

  • [Journal Article] Mesenchymal stem cell therapy ameliorates diabetic hepatocyte damage in mice by inhibiting infiltration of bone marrow-derived cells2014

    • Author(s)
      Nagaishi K, Ataka K, Echizen E, Arimura Y, Fujimiya M
    • Journal Title

      Hepatology

      Volume: 59 Pages: 1816-29

    • DOI

      10.1002/hep.26975

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 日本人のIBD感受性遺伝子2015

    • Author(s)
      有村佳昭
    • Organizer
      第154回日本消化器内視鏡学会東北支部例会(ランチョンセミナー)
    • Place of Presentation
      仙台国際センター(宮城県・仙台市)
    • Year and Date
      2015-02-06 – 2015-02-06
    • Invited

URL: 

Published: 2016-05-27  

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