2014 Fiscal Year Research-status Report
HO-1/CO系を基軸とした抗炎症性マクロファージ誘導と腸管炎症制御機構の解明
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25460959
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
高木 智久 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70405257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 裕二 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00305575)
堅田 和弘 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60593910)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Heme oxygenase / 一酸化炭素 / マクロファージ / リンパ球 |
Outline of Annual Research Achievements |
HO-1(heme oxygenase-1)/CO(carbon monoxide:一酸化炭素) 系の腸管炎症病態における役割、さらには、新規治療分子としての可能性を検証する研究の一環として、昨年度に引き続きHO-1発現挙動について検討を行った。腸管粘膜から単離したマクロファージ(Macrophage: Mph)の解析を行い、炎症病態のステージによってHO-1発現Mphの挙動が異なることを明らかにしており、骨髄単球由来MphにおけるM1/M2分化に伴うHO-1発現挙動についても解析を行い、Mphの分化ステージによりHO-1発現が異なることを明らかにしてきた。 そこで引き続き腸管粘膜におけるHO-1/CO軸の役割に関して、リンパ球にも焦点をあてて検討を行い、COによりTh1/Th17リンパ球分化が制御されることを明らかにし、ナイーブCD4+T細胞移入腸炎モデルにおいてもCO投与によりTh1/Th17リンパ球分化制御を介して腸管炎症が制御されることを確認した。 これらの現象から、Mphに発現したHO-1はCOをメディエーターとして腸管粘膜免疫を制御する機構が存在する可能性を示していると推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
概ね当初計画通りに進行しているが、腸管粘膜内のHO-1陽性・陰性発現Mph細胞比率に関してのFACS解析の条件設定に時間を要している。研究計画3の「HO-1 高発現Mph による腸内細菌認識機構の変化とそれに基づく腸管内細菌叢変容の解析」についてはHO-1高発現マウスとして用いる予定であるBach1欠損マウスの繁殖・飼育が予定通りに進んでいないため若干の遅れが生じており、最終年度に集中的に検討を進める予定である。 一方、研究計画4「HO-1高発現Mphを用いた細胞治療の可能性の検証」に関しては、Bach1欠損マウス由来HO-1高発現Mphを移入することにより大腸炎発症・進展が抑制できることを明らかにすることが出来ており、先行して取り組みを進めることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究計画のなかで、腸管粘膜から単離したマクロファージ(Macrophage: Mph)のFACS解析を中心に進めていく予定である。また、研究を進める中でHO-1高発現細胞Mphから産生されるCOがリンパ球分化制御に大きく関与している可能性を見出すことが出来たため、今年度は研究計画3で予定している「HO-1高発現Mphによる腸内細菌認識機構の変化とそれに基づく腸管内細菌叢変容の解析」についてHO-1のみならずCOについても焦点を当てて検討を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
HO-1高発現マウスとして用いる予定であるBach1欠損マウスの繁殖・飼育が予定通りに進んでいないため若干の遅れが生じており、これに係わる経費に関して最終年度(次年度)への使用予定額として繰り越しが必要となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
HO-1高発現マウスとして用いる予定であるBach1欠損マウスの繁殖・飼育についての問題点は解決しており、HO-1/COによる腸内細菌叢変容への影響に関する検討を進めていく予定であり、これに係わる研究経費として使用予定である。
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