2015 Fiscal Year Annual Research Report
化学療法抵抗性大腸癌の細胞接着タンパクの破綻とCDX2を介した再分化のメカニズム
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25460962
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
船越 信介 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20297352)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | CDX2 / 大腸癌 / SP細胞 / 化学療法抵抗性大腸癌 / 細胞接着関連タンパクの破綻 |
Outline of Annual Research Achievements |
pHT expression vectorを用いたCDX2強制発現大腸癌安定細胞株とpHT2コントロール株およびpHT2のCDX2-ShRNAによる遺伝子特異的発現抑制株を作成した、これらの細胞株を用いて、様々な受容体型チロシンキナーゼ蛋白質のリン酸化状態および細胞接着マーカーの発現解析をした。各細胞株のsp細胞分画を抽出し、細胞機能、増殖能、接着能、浸潤能を調べている。コロノスフェアを使用した薬剤感受性アッセイによる腫瘍縮小効果の検討し、化学療法抵抗性大腸癌の細胞接着タンパクの破綻とCDX2を介した再分化のメカニズムを追及している。以前より我々は大腸癌の転移メカニズムにおいて、運動能に関与するsmall GTPase protein Rac1に注目していた。転移能が高く、化学療法抵抗性のポテンシャルを有するとされているside population細胞(sp細胞)におけるRac1の関与を調べた。pHT2のCDX2-ShRNAによる遺伝子特異的発現抑制株のsp細胞において、pHT-CDX2強制発現大腸癌細胞株のsp細胞よりRac1の活性が高く、β-cateninの転写活性が高い傾向にあった。Rac inhibitorによりコロニー形成は抑制された。大腸癌の転移メカニズムにおいて、Rac1促進的に、CDX2が抑制的に関与していることを今後証明していく。
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