2014 Fiscal Year Research-status Report
炎症性腸疾患および炎症性発癌に対する新規デリバリーシステムを用いた治療法の開発
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25460963
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
竹田津 英稔 久留米大学, 医学部, 助教 (80352144)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 炎症性腸疾患 / ドラッグデリバリーシステム / アンチセンス |
Outline of Annual Research Achievements |
新規デリバリーシステムであるシゾフィラン(SPG)を用いたアンチセンスの開発および治療効果について検討を行った。腸炎に対する治療としてTL1Aをターゲットに研究を進めていたが、in vitroでの抑制効果が確認できず、現在すでに病因の一つとして知られているTNF-alphaをターゲットとして治療法の確立を行っている。DSS急性腸炎モデルおよびDSS+AOM発癌モデルへの腹腔内投与での有効性を確認し、複合体が腸管より分離したマクロファージにSPG単独およびアンチセンス単独よりも有意に取り込まれていることが明らかとなった。引き続き、SPG-アンチセンスTNF-alpha複合体を注腸にて投与を行い、体重減少の抑制、腸管の病理組織の改善、腸管の炎症性サイトカインの産生減少など治療効果を確認することができた。今後は投与量や投与間隔など検討を行っていく。 経口投与については胃酸などPHの低い状況にてin vitroではSPG-アンチセンス複合体の安定性が確保できないことが明らかとなった。引き続き投与方法の改良化などについて模索していく。今回のデリバリーシステムと使用しているSPGは、真菌であるβ1.3グルカンの1種であり、これを投与することにより炎症が活性化するという副作用がないか十分に検討が必要である。現時点ではSPG単独投与後もマウス腸炎モデルにおける腸炎の増悪は認められていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
TL1Aをターゲットとしたアンチセンス配列の決定、またTL1A-siRNAの使用については、in vitroにて十分な発現抑制が確認できず、遅れが生じている。また、自然発症腸炎モデルであるSAMP1/Yitマウスの繁殖が困難となりSAMP1/Yitマウスを使用した実験に支障をきたしている。しかし、デリバリーシステムによる治療についてはSPG-アンチセンスTNF-alpha複合体を使用し、DSS腸炎およびDSS+AOM発癌モデルにおける腹腔内投与と同様に、注腸投与でも治療効果が確認された。今後は投与量や投与期間、副作用の有無など詳細に検討していく必要があると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
SPG-アンチセンスTNF-alpha複合体の腹腔内投与だけでなく、注腸投与により治療効果があることが分かってきた。今後は、このSPGによるデリバリーシステムの有用性を確立するため、投与量、投与間隔、炎症の改善度など繰り返し評価を行ううえで、DSS急性腸炎および発生に時間を要する発癌モデルを使用した実験を、研究が煩雑にならない適切なマウス数で並行して研究を行っていく。また、共同研究を行っている北九州市立大学とも協力し、研究を推進していく。
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Causes of Carryover |
依然としてin vitroによるTL1Aのアンチセンス配列が確定できないこと、および自然発症モデルであるSAMP1/Yitマウスの繁殖がうまくいかず、このマウスを使用したin vivo実験が進まなかったことがあげられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
DSS腸炎および発癌モデルにおける投与は十分に効果を発揮していることが示された。今後はSPG-アンチセンスTNF-alpha複合体を使用し、腸管内および腸炎部位への取り込みについて免疫染色、蛍光染色などで詳細に確認を行う。また、投与経路、投与量、投与間隔、副作用の有無などの詳細な検討を行うため、多数のマウス購入、複合体の作製、実験器具が必要である。
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