2014 Fiscal Year Research-status Report
誘導がん幹細胞の大量増幅と、HSP結合抗原パルス樹状細胞による個別化がん免疫誘導
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25460966
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Research Institution | Center for Clinical and Biomedical Research, Sapporo Higashi Tokushukai Hospital |
Principal Investigator |
蘆田 知史 医療法人徳洲会札幌東徳洲会病院付属臨床研究センター, IBD研究部, 研究員 (50261409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水上 裕輔 医療法人徳洲会札幌東徳洲会病院付属臨床研究センター, 臨床生体情報解析部, 部門長 (30400089)
井内 康之 医療法人徳洲会札幌東徳洲会病院付属臨床研究センター, その他部局等, 研究員 (90640615) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | がん / 個別化医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度より、大腸癌および膵癌の切除材料を利用して、Conditional Reprogramming法(Xuefeng Liu, Am J Pathol 180, 2012)による組織培養で患者由来の癌細胞の増幅を試みた。組織処理の最初の段階で、大阪成人病センターの井上らの研究グループが考案したcancer tissue-originated spheroids (CTOS)法を用いて組織由来の間質混入の少ない上皮細胞間の細胞接着が維持されたorganoidを分離して(P-0)、これをfeeder細胞上に播種する方法を選択している(P-1;以後、継代を重ねる毎にP-2, 3, …とした)。現在、P-0とP-1以降のmonolayer cultureにおける遺伝子発現の比較を行っている。これらの細胞リソースは、樹状細胞の活性化のための自己癌抗原として利用価値がある他、genotypingや癌細胞特異的な遺伝子発現、さらにストレス応答や抗がん剤感受性試験において有益な生体試料となる。特に分子標的治療を行う際には、EGFRやKRASの変異の有無で適応が決定される時代を迎えているが、実際には薬剤応答が少数の遺伝子変異に規定されないケースも想定される。がん個別化医療を確実に進めるうえでは、患者自身の細胞リソースを適切な環境において治療候補薬へ暴露して感受性を事前検証する作業や、初代細胞ライブラリーを用いたhigh-throughtput screeningシステムの構築に関わる研究が今後求められる。このことを実現するため、国内の機器メーカー、さらにマサチューセッツ総合病院がん研究センターCenter for Molecular Therapeutics部門との共同研究を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
産学連携での進展もみられ、目標の達成にむけて順調に進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
計画の最終年度にむけて、成果をまとめ論文報告につなげる。
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Causes of Carryover |
端数となった約900円の執行が困難であったため、その分を繰越とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の消耗費にあてる。
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