2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25460986
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
田中 榮司 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (50163506)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | B型慢性肝炎 / HBe抗原 / ウイルス変異 / HBV DNA / HBs抗原 / HBcr抗原 |
Outline of Annual Research Achievements |
HBe抗原陰性慢性肝炎は間欠的に激しい肝炎を起こす傾向があり、肝硬変や肝癌へ進行しやすいことが報告されている。この発症には、ウイルスのHBe抗原非産生変異が関与しており、特にpre-core(Pre-C)変異とbasal core promoter(BCP)は重要とされている。今回、HBe抗原セロコンバージョン(SC)前後でのこれら変異の推移とHBe抗原陰性慢性肝炎発症との関連を検討した。 HBe抗原持続陽性群18例、SC群25例、HBe抗体持続陽性群43例を対象とし、観察前後でPre-C/BCP変異、HBV DNA量、HBs抗原量、HBcr抗原量を測定した。遺伝子型は全例Cであった。観察期間の中央値はそれぞれ6.3年、10.8年、8.5年であった。Pre-C変異は、HBe抗原陽性時には陽性率は低く、SC前後で陽性率が高くなる傾向がみられた。HBe抗体陽性時には約60%がPre-C変異陽性であり、その後の変化は少なかった。これに対しBCP変異は、HBe抗原陽性時から陽性率が高く、SCとは関連なしに60-80%の陽性率を示した。HBV DNA量、HBs抗原量、HBcr抗原量は全て、HBe抗体陽性になるとHBe抗原陽性時に比較して有意に低値となった。HBe抗原陽性時には、Pre-C/BCP変異陽性例は陰性例に比較してHBV DNA量、HBs抗原量、HBcr抗原量は全て低値となる傾向がみられた。これに対しHBe抗体陽性時には、Pre-C変異陽性例は陰性例に比較してHBV DNA量とHBs抗原量は高値になる傾向がみられた。 以上の結果より、Pre-C変異はSCと直接的に関連すること、および、HBe抗体陽性例において高ウイルス量と関連することが明らかになった。すなわち、Pre-C変異の出現はHBe抗原陰性慢性肝炎の発症と強い関連があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H26年度は、長期経過観察可能であったHBe抗原持続陽性例、SC例、HBe抗体持続陽性群例を対象とし、観察前後でPre-C/BCP変異、HBV DNA量、HBs抗原量、HBcr抗原量を測定した。対象の選定、血清検体の整理、測定、データ解析は順調に進行し、最終的に論文化することができた。以上のことから、H26年度の計画は予定通り実行したと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度、H26年度とも計画通り研究は進行したので、最終年度であるH27年度は視点を変え、肝線維化および発癌マーカーとHBe抗原陰性慢性肝炎の予後との関連を検討する。具体的には、肝生検を施行したB型慢性肝炎例を広く対象とし、新規マーカーであるM2BPGiを加えた各種線維化マーカーを測定し、HBe抗原陰性慢性肝炎と肝線維化や肝発癌との関連を検討する。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] Mutations of pre-core and BCP before and after HBeAg seroconversion.2014
Author(s)
Kamijo N, Matsumoto A, Umemura T, Shibata S, Ichikawa Y, Kimura T, Komatsu M, Tanaka E
Organizer
The 11th JSH Single Topic Conference, Hepatitis B - Recent Progress in Basic and Clinical Research
Place of Presentation
Hotel Granvia Hiroshima, Hiroshima, Japan
Year and Date
2014-11-20 – 2014-11-21