2014 Fiscal Year Research-status Report
低分子量ストレス蛋白質による原発性肝がんの増殖抑制作用の分子基盤の解析
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25460989
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小澤 修 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90225417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 陽介 東京都立駒込病院(臨床研究室), その他部局等, その他 (60447787) [Withdrawn]
西脇 理英 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90734202)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肝細胞癌 / 低分子量 / ストレス蛋白質 / HSP20 / アポトーシス / Bax |
Outline of Annual Research Achievements |
ストレス蛋白質は、熱や化学物質などのストレスにより組織・細胞内に誘導される一群のタンパク質の総称である。しかし、肝細胞がんにおける低分子量ストレス蛋白質の役割の詳細は明らかとされていない。これまでに私共は低分子量ストレス蛋白質の一つであるHSP20が肝がん細胞において、p44/p42マップキナーゼおよびAKTの細胞内情報伝達系を制御し、その増殖を抑制することを明らかとしている。さらに、AKTの細胞内情報伝達系の一つであるホスファチジルイノシトール3キナーゼにHSP20が結合し、その活性を制御し、肝がん細胞の増殖を抑制することを明らかとしている。本研究では、HSP20による肝がん細胞のアポトーシス制御における標的蛋白質を探索した。その結果、アポトーシスカスケードの中心的役割を担うBcl-2ファミリーの一つであるBaxにHSP20が結合し、カスパーゼ活性を刺激し、肝がん細胞のアポトーシスを促進することを明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝がん細胞の増殖抑制作用におけるHSP20の分子標的の一つがアポトーシスカスケードの中心的役割を担うBcl-2ファミリーの一つであるBaxであることを明らかとすることが出来た。このアポトーシスカスケードにおけるHSP20の分子機序が新たな肝細胞がん治療の標的となりうる可能性を示唆することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
肝がん細胞の細胞運動および細胞浸潤における低分子量ストレス蛋白質HSP20の分子標的を検討し、その役割を明らかとする。 さらに他の低分子量ストレス蛋白質HSP27およびHSP22とHSP20の相互作用を蛋白質翻訳後修飾の観点から検討し、肝がん細胞の進展における役割の詳細を明らかとする。
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