2014 Fiscal Year Annual Research Report
肥満に伴う慢性肝疾患NAFLDにおける免疫の関与とその制御に関する解析
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25460992
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮城 琢也 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80532986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
巽 智秀 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20397699)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 非アルコール性脂肪性肝疾患 / S100A8 / CXCL1 / CXCR2 / 顆粒球系細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの検討により、高脂肪高コレステロール食(HFHCD)投与によるNAFLDマウスモデルにおいて、肝組織におけるS100A8蛋白の発現が亢進していることを見出した。S100A8は、Toll-like receptor 4の内因性リガンドとして働き、種々の炎症性疾患と関連していることが示唆されている。今年度は、NAFLDおけるS100A8の関与や役割について詳細に検討した。S100A8を発現する細胞は、顆粒球系細胞であるCD11b+ Gr-1high細胞であり、NAFLDマウス群で著明に増加していた。S100A8は肝非実質細胞からのTNF-alpha産生を誘導し、培養肝細胞におけるTNF-alpha発現を増強した。TNF-alpha欠損マウスにおいて野生型マウスに比し、HFHCD投与による肝脂肪化は同等に認めるものの炎症細胞浸潤が有意に減弱していたことから、CD11b+ Gr-1high細胞から分泌されるS100A8がTNF-alpha産生誘導を介してHFHCD投与による炎症増悪に関与していることが示唆された。一方で、HFHCD群の肝組織では顆粒球系細胞の遊走に関わるCXCL1の発現が亢進していた。CXCL1はS100A8および脂肪酸によって産生が誘導された。CXCL1のレセプターであるCXCR2を発現する細胞は、CD11b+ Gr-1high細胞であった。S100A8を産生するCD11b+ Gr-1high細胞は、自身が発現するCXCR2によってCXCL1を認識し肝組織に遊走・集積していることが示唆された。NAFLD症例の肝生検組織において、S100A8陽性となる肝非実質細胞を認め、その陽性細胞数は非アルコール性脂肪肝症例に比しNASH症例で有意に増加していた。S100A8がNAFLDの病態進展に関与していることが示唆された。S100A8はNAFLDの病態において、肝臓におけるCXCL1の発現上昇に伴いCXCR2を介して肝に集積するCD11b+ Gr-1high細胞から分泌され、TNF-alphaの産生を誘導することで炎症を増悪させている可能性が示唆された。
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[Presentation] Involvement of CXCL1-S100A8 loop via CXCR2 in the development of nonalcoholic fatty liver disease.2014
Author(s)
Kaori Mukai, Takuya Miyagi, Yoshinobu Yokoyama, Teppei Yoshioka,Kumiko Nishio, ,Akira Nishio, Yoshiki Onishi, Satoshi Aono, Yoshinobu Saito, Satoshi Tanaka, Hayato Hikita, Ryotaro Sakamori, Naoki Hiramatsu, Harumasa Yoshihara, Yasuharu Imai, Tomohide Tatsumi and Tetsuo Takehara
Organizer
The 65th Annual Meeting of the American Association for the study of Liver Disease
Place of Presentation
Boston, USA
Year and Date
2014-11-09 – 2014-11-09
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