2013 Fiscal Year Research-status Report
成体膵の恒常性の維持および膵癌形成におけるNotch/Hes1シグナルの機能解析
Project/Area Number |
25461022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
児玉 裕三 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80378687)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 膵臓 / Hes1 / 前癌病変 |
Research Abstract |
1. 成体膵の組織幹細胞における Hes1 の機能解析 Hes1 ノックアウトマウスは胎生致死であるため、成体における Hes1 の機能解析は不可能であった。本研究では膵特異的 Hes1 ノックアウトマウスを作成し、Hes1発現細胞が、成体の組織幹細胞として機能している可能性について解析を行った。まず、膵特異的プロモーター Elastase1(Ela1) 下にタモキシフェン誘導型Creを発現する Ela1-CreERT2 マウスと Hes1 flox マウスとの交配を行い、膵特異的 Hes1 ノックアウトマウスの作成した。次に、膵特異的 Hes1 ノックアウトマウスの膵組織構築や形態、外分泌機能、内分泌機能について、各種の免疫染色や耐糖能検査により解析を行った。 2. 膵前癌病変(PanIN)の形成における Hes1 の機能解析 申請者らは既に Ela1-CreERT2マウスと、Cre誘導性に恒常活性化型変異Kras遺伝子を発現する LSL-KRasG12Dマウスとの交配 (Ela1-CreERT2;KrasG12D) により、前癌病変mPanINが生じるとの報告(Habbe N. PNAS 2008)を再現し、mPanIN に Hes1 が発現することを確認している。本研究では、Ela1-CreERT2;KrasG12D マウスと Hes1 flox マウスとの交配を行い、マウス前癌病変(mPanIN)モデルにおける Hes1 の機能について解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. 成体膵の組織幹細胞における Hes1 の機能解析 膵特異的プロモーター Elastase1(Ela1) 下にタモキシフェン誘導型Creを発現する Ela1-CreERT2 マウスと Hes1 flox マウスとの交配は順調にすすんでおり、膵特異的 Hes1 ノックアウトマウスが作成されつつある。現在、これらのマウスの膵組織構築や形態、外分泌機能、内分泌機能について解析中であり、マウス解析数が増えれば一定の見解が得られるものと思われる。 2. 膵前癌病変(PanIN)の形成における Hes1 の機能解析 Ela1-CreERT2;KrasG12D マウスと Hes1 flox マウスとの交配を行いは順調にすすんでいる。現在、マウス前癌病変(mPanIN)モデルにおける Hes1 の機能について解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 成体膵の組織幹細胞における Hes1 の機能解析、および 2. 膵前癌病変(PanIN)の形成における Hes1 の機能解析を引き続き行う。 さらに、3. 膵癌の癌幹細胞維持における Hes1 の機能解析を開始する。まず、マウス膵癌モデル(Ela1-CreERT2;KrasG12D;TP53R172H マウス)と Hes1 flox マウスとの交配により、変異KRAS遺伝子および変異TP53遺伝子が導入された膵細胞において Hes1 遺伝子がノックアウトする。このマウスにおいて、膵癌の形成の有無、増殖・分化マーカーの発現、組織学的異型度、浸潤・転移の有無などについて、コントロールマウス(と比較検討を行う。さらに、Hes1 flox マウスにおいて DMBA 投与による膵癌形成を誘導し、得られた膵癌より初代培養膵癌細胞を樹立することによりHes1 flox 膵癌培養細胞の樹立する。この細胞に Cre を導入し、Hes1 KO 膵癌細胞とコントロールとなる Hes1 wt 膵癌細胞を誘導し、in vitro において癌幹細胞マーカー・EMTマーカーの発現、増殖能や細胞死、浸潤・転移能、コロニー形成能などの評価することによって膵癌幹細胞維持における Hes1 の機能を解析する。
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