2014 Fiscal Year Research-status Report
外分泌顆粒膜動態から追跡するオートファジー制御機構の解明
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25461026
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
川島 麗 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (70392389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 尊文 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (30245378)
川上 文貴 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (50511896)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | GP2 / オートファジー / LC3 / 外分泌 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵臓腺房細胞には消化酵素を内包するチモーゲン顆粒が無数に存在し、消化の際に外分泌機能を果たしている。その膜成分としてチモーゲン顆粒膜に特異的に発現するGlycoprotein2 (GP2) が、消化器系機能としてどのような役割があるのかを明らかにするとともに、オートファジー機構への関与を解明することを目的としている。初年度においては、GP2ノックアウトマウスを用いた実験により、外分泌機能の1つとしての、消化酵素アミラーゼの分泌に関して、GP2が制御していると考えられたため、本年は、オートファジー関連分子の発現について検討した。 GP2ノックアウトマウスおよび野生型マウスの膵臓を採取し、TotalRNAを抽出後、RT-PCRによりオートファジー関連分子のmRNA発現を比較検討した。オートファゴソーム膜形成において重要な役割を示す分子LC3について発現検討したところ、通常摂食では両マウス間で変化が見られなかったのに対し、18時間絶食を行ったWTマウス膵臓において、LC3発現上昇し、GP2ノックアウトマウスとではその発現が抑制される傾向にあった。これより、オートファジー機構初期の段階からGP2タンパク質の関与する可能性が示唆された。また、オートファゴソーム膜の供給を制御するBeclin1については現在検討中であるが、この分子に変化が見られれば、オートファゴソーム膜形成前の段階からGP2が機能している可能性が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オートファジーが起きると、細胞内に常に存在しているタンパク質(ハウスキーピング蛋白)の一部が分解されて、ペプチドやアミノ酸が生成され、それが細胞の生命活動にとって、より重要性の高いタンパク質を合成する材料に充てられると考えられている。そのため、今回はmRNA発現解析において、内因性コントロールとしてGAPDHの代わりに18S rRNAを用いたことにより、安定したデータが得られるようになり、ほぼ予定通りの進行した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度、GP2ノックアウトマウス膵臓において、オートファゴソーム膜形成において重要な役割を示す分子LC3の発現上昇が抑制されることを示したが、これより、GP2がオートファジー機構の比較的初期の段階から関与が見られると考えられ、さらには、最近、オートファゴソーム膜が小胞体から分離したものであるとの報告もあるため、GP2が、小胞体膜分離の時点からこの機構に関与している可能性について探る。具体的には、抗ERメンブレンマーカーを用いた発現比較を計画している。
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Causes of Carryover |
RT-PCR実験のスケールを半量にすることにより酵素試薬を半量で行うことができたため、当初の計画より節約して実験を行うことが可能であった。また、動物実験基準3Rの理念に基づき、マウス匹数をできるだけ減らして再現をとる実験を行う工夫をした。一方で、受注生産品という理由から発注を翌年にする計画であったことが、次年度使用額が生じた理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度に発注予定であった受注生産品の抗体を本年で購入し、オートファジー初期段階に関わるタンパク質発現を重点的に検討する予定である。また、細胞実験での検討を導入し、その予算に当てる予定とする。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Chemokine receptor CCR8 is required for lipopolysaccharide-triggered cytokine production in mouse peritoneal macrophages.2014
Author(s)
Kawashima R, Oshio T, Kawamura YI, Hagiwara T, Mizutani N, Okada T, Otsubo T, Inagaki-Ohara K, Matsukawa A, Haga T, Kakuta S, Iwakura Y, Hosokawa S, Dohi T.
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Journal Title
PLoS One.
Volume: 8
Pages: 1-12
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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