2013 Fiscal Year Research-status Report
心房細動・自律神経節アブレーションのメカニズム解明と臨床応用
Project/Area Number |
25461039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
有本 貴範 山形大学, 医学部, 助教 (80400547)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心房細動 / 心筋焼灼術 / 心臓自律神経 |
Research Abstract |
検討-Iとして、「末梢血・左心房血の自律神経機能・炎症・凝固能の差異を明らかにする」ことを掲げた。我々は連続100例の心房細動患者で末梢血・左心房血の同時採血を行い、D-dimer陽性(>0.5μg/mL)率が、左心房で有意に高率であること(23% vs. 10%, p=0.0026)、D-dimer値が左心房で高いことを確認した。また多変量解析の結果、左心房D-dimer陽性の規定因子は、左心房容量であることも確認した。興味深いことに厳密な抗凝固薬コントロールにより、左心房D-dimer陽性率が低下する(23%⇒4%)ことも確認できた。 検討-IIとして、「自律神経節アブレーションが、心臓自律神経機能に及ぼす影響を明らかにする」ことを目標にした。15例の心房細動患者で、自律神経節アブレーション前後の心臓MIBG検査を施行した。アブレーション後に交感神経機能が低下する可能性がある。現在も症例数を増やしている途中である。 検討-IIIとして、「自律神経節アブレーションの早期再発とβ遮断薬の有効性について検討」している。連続50例において、アブレーション後にプラセボ群(n=25)とβ遮断薬使用群(n=25)に割り振り、β遮断薬(ランジオロール)が安全に早期再発を減らすことが確認できている。 検討-IVとして「自律神経節アブレーションを長期に経過観察し、心房細動再発の予測因子を調査する」ことを目標にしている。長期予後を確認するため術後も定期的に観察中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
検討I~IVを目標に掲げたが、検討Iは現在、英文論文投稿し、査読を終えて再審査中である。検討IIIは、現在、英文論文を作成している。
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Strategy for Future Research Activity |
検討I, IIIは今年度中に論文になる目途が立っている。検討IIは、症例数を増やしている途中であり、20例のデータを目標にしている。検討IVは、長期予後に関する検討であるため、さらに2-3年を要すると予測している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
心房細動アブレーションを行う症例の入院数によって、MIBGシンチ検査(ミオMIBG注射液)を行う数が変わります。予定よりも数名の入院がなかったため、次年度使用額が生じております。 心房細動アブレーションを行う症例が入院次第、MIBGシンチ検査(ミオMIBG注射液)を行います。数例で差引額はなくなります。
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