2014 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子変異、負荷心エコーによる心予備能測定をもとにした薬剤性心筋症発症因子の予測
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25461044
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邉 直 東京大学, 医科学研究所, 助教 (00597271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 直秀 東京大学, 医科学研究所, 教授 (90174680)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 薬剤性心筋症 / 心臓超音波検査 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに血液腫瘍に対する化学療法ならびに造血幹細胞移植を受ける患者を登録するためのデータベースシステムを構築した。安静時および下肢挙上による負荷心臓超音波検査の指標を中心に、BNP、高感度トロポニンT、高感度CRPやその他の心筋障害バイオマーカー、心電図、胸部単純X線検査、冠危険因子や胸部への放射線照射の既往などの病歴を検討項目として、患者登録を行っている。また、すでに薬剤性心筋症を発症している患者も登録し、同様の治療を受けても、薬剤性心筋症を発症しない群との比較検討を行っている。 現時点での解析では、顕性心不全発症、心臓超音波検査で左室駆出率が50%以下に低下、もしくは抗癌剤投与後のBNP値が正常値上限の2倍以上かつ抗癌剤投与前の2倍以上に上昇した患者を、薬剤性心筋症発症群とし、非発症群と比較した場合、抗癌剤投与前の下肢挙上負荷心臓超音波検査で、左室拡張機能の容量負荷への反応が不良である傾向を認めた。BNP、高感度トロポニンT、高感度CRPやその他の心筋障害バイオマーカーは、薬剤性心筋症発症群と非発症群で差を認めていない。症例数を重ねるとともに、今後、新たなバイオマーカー測定を予定している。現時点では、薬剤性心筋症発症症例数が少ないため、結論には至らないが、薬剤性心筋症発症例では、抗癌剤投与前にすでに、左室拡張機能が低下している可能性が示唆され、これを検出することにより、薬剤性心筋症を発症前に予測できる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、登録症例数は、60名である。症例数からみた達成度は、3年間での目標症例数100名の60%である。心臓超音波検査および血中心機能バイオマーカーは、全例でデータ取得が出来ている。一方、ゲノム解析は、全患者からは同意が得られていない。 全体として、2年目までの達成度として、ほぼ順調な経過であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
データ取得が十分に得られるため、心臓超音波検査指標と血液バイオマーカーを中心とした解析を進める。血液バイオマーカーは、新たなペプチド等も測定項目に加えることとする。今後も、新規治療症例の登録を継続し、血液腫瘍再発症例も再治療前に、同様の検査を行い、薬剤の累積投与量などで補正を行った上で、初回治療症例と併せて解析し、目標症例数に到達するように努力する。
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Causes of Carryover |
本年度は、血液バイオマーカー測定のためのELISAキットなどの検査試薬の費用が、見込みより少なく済んだため、次年度に繰り越して継続使用する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
保険適応から外れた採血項目(血液バイオマーカー)のELISA測定や、受託測定費用に使用する。また、研究成果発表のための費用として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)