2014 Fiscal Year Research-status Report
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25461048
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
柏村 健 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (70419290)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心不全 / カルシウム過負荷 / 頻度収縮性関係 / 交互脈 / ペーシング |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全における臨床的カルシウム過負荷の評価として、これまで当施設で行ってきた検査に新たな検査結果を合わせて、論文投稿、学会発表を行っている。 心不全では、ペーシングによる心拍増加刺激後の収縮力増強反応が強いとのデータが得られ、現在「Failing left ventricles develop little force during tachycardia despite their enhanced post-stimulation potentiation.」のタイトルで論文投稿を行っている(未受理)。カルシウム過負荷状態については、これまで拡張不全として語られることが多かったが、収縮不全である拡張型心筋症で、カルシウム過負荷を量的な問題ではなく、不応期を介する時間的な問題であるとらえる点があたらしいと考えている。 また肥大型心筋症で同様の評価が可能な症例では検査を行っており、ケースレポートではあるが、「Cibenzoline Abolished Pulsus Alternans in a HOCM Patient」を日本内科学会誌に受理され、In Pressである。 学会発表においても、閉塞性肥大型心筋症症例でペーシング評価が必要な場合、同様の検討を行っており、平成26年の第17回日本心不全学会において「Intravenous cibenzoline shifts force-frequency relationship downwards and decreases intraventricular pressure gradient during tachycardia in patients with hypertrophic obstructive cardiomyopathy」を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
あらたな症例の登録が遅れており、以前の症例を主体のデータの解析を進めている。 本研究が、心臓カテーテル法を用いた侵襲的検査であり、全症例に一様に行うことが難しくなりつつあり、研究の進行を遅くしている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、心エコーを用いた同様の研究方法について検討中であり、非侵襲的な方法であることから、今後の伸展が多いに期待できる。
これまでの方法では同一症例で繰り返し検査を行うことが出来なかったが、今後は繰り返し行うことで、カルシウム過負荷の改善を経時的に示すことを行っていき、また予後との関連も示せるように研究を組みなおす。
また、侵襲的検査を行う症例については、心筋生検による心筋組織の検討を行っており、心不全における臨床的カルシウム過負荷と、組織所見の間に、関係があるかどうかの検討を同時進行で行う。
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Causes of Carryover |
心臓カテーテル検査の件数に限りがありデータ収集が遅れている。現在心エコー法による非侵襲的方法を検討中であり、今後データ収集や解析などで使用する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
心エコー法によるデータの解析を平行して行い、また、病理学的検査も加えることで、研究に幅をもたせられるよう、予算を有効に使う予定である。
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