2013 Fiscal Year Research-status Report
心筋梗塞後急性期における血糖日内変動の心筋救済に及ぼす影響とその治療法の確立
Project/Area Number |
25461063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
寺口 郁子 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (70549782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今西 敏雄 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (00285389)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
初回心筋梗塞再灌流療法成功症例のうち2型糖尿病罹患症例を対象に、急性期血糖日内変動が心筋救済および慢性期左室リモデリングに及ぼす効果および関連する機序を明らかにするため、急性期血糖日内変動と冠血管危険因子等の臨床パラメーターおよびバイオマーカー、末梢梢血液中の単球サブセット、インクレチンの内因性の指標である血中活性型グルカゴン様ペプチド(GLP:glucagon-like peptide)-1および、酸化ストレス指標(尿中8-イソプロスタン)、心筋救済率および慢性期左室リモデリングの関係との関連を検討した。 平成25年4月から平成26年3月までの登録症例は計56症例であった。糖尿病、非糖尿病にかかわらず、急性心筋梗塞急性期の血糖日内変動は、心筋救済率と関係していることが明らかとなった。また、血糖日内変動と酸化ストレスマーカーである尿中8-イソプロスタン、末梢血中の単球サブセットも正の相関を認めた。血糖日内変動が心筋救済率に及ぼす影響について引き続き症例数を増やし検討するとともに、血糖日内変動の抑制目的にインクレチン分解酵素阻害薬(dipeptidyl peptide-4(DPP-4)阻害薬)を投与し、上記と同様の検討開始した。 登録症例のうち、糖尿病患症例を対象に、急性心筋梗塞急性期にDPP-4阻害剤による介入を行い、その血糖日内変動の抑制効果や単球サブセットや炎症マーカーへの関与について現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、急性心筋梗塞患者における急性期の血糖日内変動と心筋救済との関連を検討し、さらにDPP-4阻害剤を用いた薬剤介入による効果の検討を開始している。臨床実験に時間が割かれているため、動物実験に関しては、当初の予定からやや遅れており、今後は動物実験に重点を置いていく方針である。
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Strategy for Future Research Activity |
2型糖尿病の急性心筋梗塞患者に対し、DPP-4阻害剤の急性期介入による効果を引き続き検討する。また、動物実験における血糖変動と虚血障害心筋の関係についても検討を加えていく。 これらの研究成果を国内外の学術集会にて発表していく予定としている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の予定通り、急性心筋梗塞患者における急性期の血糖日内変動と心筋救済との関連を検討し、さらにDPP-4阻害剤を用いた薬剤介入による効果の検討を開始している。臨床実験に時間が割かれてしまっているため、動物実験に関しては、当初の予定からやや遅れている。動物実験に必要である費用は今年度は未使用であったため、次年度使用額が生じた。 臨床実験は順調に運んでいるため、今後は、動物実験に重点を置いて研究を進めていく方針である。次年度使用額は、動物実験に必要となる経費として使用する予定である。
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[Journal Article] Acute-Phase Glucose Fluctuation Is Negatively Correlated With Myocardial Salvage After Acute Myocardial Infarction2014
Author(s)
Ikuko Teraguchi, MD; Toshio Imanishi, MD, PhD; Yuichi Ozaki, MD; Takashi Tanimoto, MD, PhD; Makoto Orii, MD; Yasutsugu Shiono, MD; Kunihiro Shimamura, MD; Kohei Ishibashi, MD; Takashi Yamano, MD; Yasushi Ino, MD, PhD; Tomoyuki Yamaguchi, MD; Kumiko Hirata, MD, PhD; Takashi Kubo, MD, PhD; and Takashi Akasaka, MD, PhD
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Journal Title
Circulation Journal
Volume: 78
Pages: 170-179
Peer Reviewed
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[Journal Article] Impact of Glucose Fluctuation and Monocyte Subsets on Coronary Plaque Rupture2014
Author(s)
Ikuko Teraguchi, MD; Toshio Imanishi, MD, PhD; Yuichi Ozaki, MD; Takashi Tanimoto, MD, PhD; Makoto Orii, MD; Yasutsugu Shiono, MD; Kunihiro Shimamura, MD; Kohei Ishibashi, MD; Takashi Yamano, MD; Yasushi Ino, MD, PhD; Tomoyuki Yamaguchi, MD; Kumiko Hirata, MD, PhD; Takashi Kubo, MD, PhD; and Takashi Akasaka, MD, PhD
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Journal Title
Nutrition, Metabolism & Cardiovascular Disease
Volume: 24
Pages: 309-314
Peer Reviewed
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[Presentation] 平均血糖変動幅(MAGE)は冠動脈プラーク破裂に栄光を与える2013
Author(s)
寺口郁子, 今西敏雄, 尾﨑雄一, 西口 毅, 下角あい子, 嶋村邦宏, 折居 誠, 塩野泰紹, 谷本貴志, 山野貴司, 猪野 靖, 山口智由, 平田久美子, 久保隆史, 赤阪隆史
Organizer
第27回日本冠疾患学会学術集会
Place of Presentation
和歌山県和歌山市
Year and Date
20131213-20131214
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[Presentation] 急性期の平均血糖変動幅(MAGE)は急性心筋梗塞(AMI)患者における心筋救済の因子である2013
Author(s)
寺口郁子, 今西敏雄, 尾﨑雄一, 折居 誠, 塩野泰紹, 谷本貴志, 山野貴司, 山口智由, 平田久美子, 久保隆史, 今西敏雄, 久保隆史, 赤阪隆史 :
Organizer
第21回日本血管生物医学会学術集会
Place of Presentation
大阪市豊中市
Year and Date
20130926-20130928
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[Presentation] 急性期の平均血糖変動幅(MAGE)は急性心筋梗塞(AMI)患者における心筋救済の因子である.2013
Author(s)
寺口郁子, 今西敏雄, 尾﨑雄一, 折居 誠, 塩野泰紹, 谷本貴志, 山野貴司, 山口智由, 平田久美子, 久保隆史, 今西敏雄, 久保隆史, 赤阪隆史
Organizer
第61回日本心臓病学会学術集会
Place of Presentation
熊本県熊本市
Year and Date
20130920-20130922
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[Presentation] 平均血糖変動幅(MAGE)は冠動脈プラーク破裂に影響を与える.2013
Author(s)
寺口郁子, 今西敏雄, 尾﨑雄一, 折居 誠, 塩野泰紹, 谷本貴志, 山野貴司, 山口智由, 平田久美子, 久保隆史, 赤阪隆史
Organizer
第61回日本心臓病学会学術集会
Place of Presentation
熊本県熊本市
Year and Date
20130920-20130922
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[Presentation] Impact of glucose fluctuation and monocyte subsets on coronary plaque rupture2013
Author(s)
Teraguchi I, Imanishi T, Ozaki Y, Tanimoto T, Yamano T, Ino Y, Yamaguchi T, Hirata K, Kubo T, Akasaka T
Organizer
European Society Cardiology Congress
Place of Presentation
Amsterdam, Netherlands
Year and Date
20130830-20130903