2015 Fiscal Year Annual Research Report
心房利尿ペプチドを導入した自己心筋幹細胞を用いた心不全治療
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25461069
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
稲葉 博隆 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10511454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 訓 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20407315)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 心房利尿ペプチド / 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
大動脈瘤は動脈硬化を主体とする慢性炎症であることが広く知られており、また近年では臓器の炎症が局所脂肪へも波及することが明らかにされている。大動脈周囲、特に腹部大動脈周囲には脂肪組織が豊富に存在するが、脂肪の炎症と大動脈の炎症(=動脈硬化)に及ぼす影響についての知見は少ない。本研究では大動脈瘤周囲の脂肪とその他の部位の脂肪を比較し、部位によりどのような差異があるかを検討した。 開腹による大動脈瘤の手術症例、24例を対象とした。手術時に皮下脂肪および大動脈瘤周囲の脂肪、正常大動脈周囲の脂肪を採取しそれらを解析した。瘤周囲と皮下脂肪に含まれる炎症性サイトカインのうちIL-1βおよびIL-6は瘤周囲でやや高値であったが有意差はなかった。またその他の炎症性サイトカインの発現にも差は認めなかった。マクロファージ関連遺伝子の発現ではM2の割合が瘤周囲でやや高い傾向を認めた。その他線維化関連因子のbFGF, TGFファミリーや血管新生関連因子(VEGF、vWF)、さらにアポトーシス関連因子(Caspase3, 9)の発現にも差は認めなかった。しかしこれらを同一患者内で部位別に比較すると、瘤周囲は正常動脈周囲に比べアポトーシスが進行しており、血管新生因子が高値であった。またHIF1αの発現も上昇しており、血管新生因子はこれらによって誘導された可能性が考えられた。さらにアディポネクチンは正常大動脈周囲では皮下と発現は同等であったが、大動脈瘤周囲で発現が減少していた。これらの結果から、大動脈瘤周囲では炎症性サイトカインの発現は認めないものの、アポトーシスおよび血管新生が活性化されており、これらは慢性炎症の病態を反映しているものと考えられた。
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