2015 Fiscal Year Research-status Report
冠動脈プラーク破綻発症機序の解明:コレステロール結晶の重要性
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25461074
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
稲見 茂信 国際医療福祉大学, 大学病院, 准教授 (30350044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 仁司 日本医科大学, 医学部, 准教授 (90277533)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 急性冠症候群 / コレステリン結晶 / 不安定プラーク |
Outline of Annual Research Achievements |
心疾患は本邦の死因統計で悪性新生物に次いで2位を占めその中で急性冠症候群は食生活の欧米化に伴い本邦でも増加傾向にある。急性冠症候群は急性心筋梗塞、不安定狭心症、突然死を含む症候群で動脈硬化を基盤とした冠動脈の突然の途絶により生じる。急性冠症候群の多くは冠動脈プラークが破綻し血栓が付着し血流が途絶することで発症する。これまでの病理学、血管内画像診断法により破綻しやすいプラーク(不安定プラーク)の特徴が明らかにされてきた。不安定プラークはその線維性被膜が薄い、脂質コアが大きい、炎症細胞の浸潤、平滑筋細胞が少ないなどの特徴を有する。しかしこれらの特徴は破綻しやすいプラークの特徴でありこれまでプラークを破綻させる直接の原因は明らかにされていなかった。最近、冠動脈プラークに存在するコレステロールが結晶し膨張することで冠動脈プラークの形態が変化し炎症が惹起され冠動脈プラークが破綻するという仮説が唱えられた。この仮説が正しければ急性冠症候群あるいはその既往のある患者の冠動脈プラークには安定狭心症の患者に比較し多くのコレステロール結晶が存在するはずである。本研究は急性冠症候群の既往のある患者とその既往がない安定狭心症患者の冠動脈を光干渉断層装置で観察しコレステロール結晶の存在するプラークの頻度を比較しさらにコレステロール結晶の存在と炎症との関連を明らかにすることが目的である。本研究開始後これまで計48例の症例が登録されたが目標症例数は100例であり遅延している。そのため平成28年度も研究期間延長し引き続き症例登録を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者の転勤に伴い倫理委員会承認、臨床保険への加入に時間を要し研究開始の時期が遅れてしまったこと、一時的に実施施設での光干渉断層装置の使用が制限されてしまったこと、国際医療福祉大学塩谷病院での心臓カテーテル件数が少ないことがあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度は症例登録が進んだ。今年度も昨年度と同様に行えば目標症例の登録ができると考える。
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Causes of Carryover |
症例登録が遅れており、使用物品が少ないこと、また左右冠動脈の両用のガイディングカテーテルを用いてカテーテルの使用本数を節約したことによります。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究の目標症例数を達成するため本年度に約50例の登録を予定している。
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