2015 Fiscal Year Annual Research Report
腎動脈アブレーションによる交感神経遮断と心不全治療効果の解明
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25461080
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
小川 正浩 福岡大学, 医学部, 准教授 (70341485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朔 啓二郎 福岡大学, 医学部, 教授 (40183371)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 心不全 / 不整脈 / 交感神経除神経 / カテーテルアブレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全犬において腎動脈内多点からのカテーテルによる電気刺激により心拍数および血圧変化と腎動脈周囲組織を検討した。1つの腎動脈において4セグメント16ポイントに分け腎動脈内からの電気刺激による血圧(5 mmHg以上)ないしは心拍数(5 bpm以上)の変化を評価した。すべてのセグメントの内、約70%に血圧または心拍数のいずれかの変化が認められるものの約30%にはいずれの反応も認めなかった。病理組織的検討では、腎動脈周囲の神経束のほとんどが交感神経を反映するTH陽性となり、神経束、血管の内中外側に知覚神経を反映するCGRP陽性反応も検出され、多くの神経束でTHとCGRP共存が確認された。腎動脈内外周囲神経の空間的分布の差異、血管からの距離などの物理的な要因や神経の機能的要因や差異が腎動脈内からの電気刺激の反応の違いに影響していることが考えられ、アブレーションの通電指標や効果の評価に有用である可能性がある。腎動脈アブレーションにおいて、1つの腎動脈にらせん状4ポイントにおいて電気刺激とアブレーションを施行した。アブレーション前電気刺激により約20%のポイントで5mmHg以上の収縮期血圧の上昇を認めたが、アブレーション後には同部位において、電気刺激による血圧および心拍数の反応性の消失ないしは低下が見られた。病理組織的検討では、アブレーションにより多くの腎動脈周囲神経のTH染色が陰性となり交感神経の機能性の消失ないしは低下が、MT染色では血管および周囲組織の線維化変性や融合が観察された。
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