2014 Fiscal Year Research-status Report
血管内皮機能の規定因子、高血圧臓器障害との関連:地域住民コホート研究
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25461083
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊谷 昌浩 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 准教授 (80361111)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / AI / PWV / 血圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、動脈硬化の変化を捉えるとされる血管内皮機能の規定因子、高血圧臓器障害との関連に関して、一般地域住民を対象として横断的・縦断的検討を通じ臨床的意義を検証することである。H26度は、前年度に引き続き動脈硬化と関連する指標であるPWV(脈波伝播速度)およびAI(Augmentation Index)を用いて、岩手県花巻市大迫町の一般住民にたいして健康調査を継続しデータ収集を行った。本研究は当初は、血管内皮機能を測定するためにUNEXEF〔ユネクスイーエフ〕・タイプBを用いてFMD(Flow Mediated Dilation)を測定し、上記を実施する計画であったが、本コホートの対象者が比較的高齢(平均69歳)、また高血圧者が7割以上であるため、FMDではなく、PWV(脈波伝播速度)およびAI(Augmentation Index)によって動脈硬化を捉えることとした経緯は前年度に報告をしたとおりである。H25年度に引き続き、 H26年度も岩手県花巻市大迫町の一般住民にAIおよびPWVを実施した。H25~H26年度を通じた232名(61.9歳、男性90人、女性142人)のAIおよびPWVの平均値は、86.7±14.0%、1658.0±336.4 cm/secであった。従属変数をAI、独立変数をPWV、補正項を頸動脈中膜内膜複合体厚IMT、頸動脈プラークの有無、年齢、性別、収縮期血圧および降圧薬内服とした重回帰分析において、PWVはAIと有意な関連を認めた(β=-0.23922, P=0.0013)。しかし、他の動脈硬化の指標として従属変数をIMT、脳白質病変およびラクナ梗塞とした重回帰分析、共分散分析ではAIおよびPWVとの関連は認められなかった。Nが十分ではない可能性が考えられ引き続き対象者数を増加させ次年度も解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H26年度の当初の目的として1)血管内皮機能と既存の動脈硬化指標との関連の横断的な確認、および血管内皮機能と頸動脈中膜内膜複合体厚IMT、PWV、AIとの関連の検証、2)血管内皮機能と中間イベント指標(頭部MRI)の関連を横断的に検討(血管内皮機能と脳白質病変、ラクナ梗塞、脳体積、海馬体積との関連)の検討の2点があった。しかし、概要の部分で述べたように本コホートにおいては動脈硬化のパラメーターとしてFMDではなく、AIおよびPWVを採用することとしたため、1)2)についてもAIおよびPWVを用いた解析を実施し概要で述べた結果を得た。1)に関しては目的を達成できたが、2)に関しては頭部MRIの脳体積、海馬体積の画像的な算出が遅れており、その部分に関しては分析の実施が遅れているが、1)2)を通じて全体としては概ね目的は達成されていると考えられる。また、H25年度~H26年度のAIおよびPWVの測定済みの対象者数がまだ232人であるため、引き続き継続して対象者を積み上げ、最終的に全対象者での再度の分析を行っていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
大迫コホートでは、家庭血圧測定および予後の追跡を地域住民1200人に対して行っており、そのうち一部の対象者に対しては詳細な調査を繰り返し行っている。本申請の基本的なスキームは、上記の大迫コホートを基盤として、それにデータを収集していくものである。本コホートでは毎年150 名の地域住民を対象に詳細調査を行っており、3年間の本申請の研究期間で450人の大迫コホートの詳細調査のデータを得られる見込みである。H25~H26年度までで、概要で述べたように232名のデータが得られた。H27年度も引き続きデータの収集を続けていく。同時に、高齢者を中心とした大迫研究コホート以外にも、より若年者で血管内皮の障害がまだ進んでいないと思われる若年成人を対象とした研究実施について検討していく必要がある。 H27年度はAIおよびPWVとミニメンタル(MMSE)、うつスケール(SDS)との関連の横断的として、MMSE、SDSを従属変数としたロジスティック分析を行い、関連を明らかにする。また、血管内皮機能の予後予測能を既存の動脈硬化指標と縦断的に比較検討を行う。つまり、脳心血管死亡、脳卒中発症、慢性腎臓病(CKD)発症をアウトカムとして、AIおよびPWVと既存の動脈硬化指標の予後予測能の比較を、各種交絡因子を補正したCox比例ハザードモデルで分析する。同モデルに既存の動脈硬化指標(頸動脈中膜内膜複合体厚IMTなど)を適宜投入することで、血管内皮機能がそれらの指標を上回る予測能を追加できるのかを明確にする。
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Causes of Carryover |
27年度において、引き続き一般住民を対象としてデータ収集を継続するため、次に述べる計画で次年度使用額を確保した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査票のデータ入力費用、データ整理、検査の人件費としても次年度使用額を充当していく予定である。次年度以降も引き続き本コホートにおいて、PWVおよびAIの測定を行うとともに、古典的な危険因子(喫煙、飲酒、脂質、HbA1c、血糖、尿酸、肝機能、腎機能等)、生活習慣病の治療薬剤、耐糖能検査(HOMA-IR 等)、フィブリノーゲン、リポプロテインA、アポリポプロテイン、リポプロテインリパーゼ、レプチン、アディポネクチン、レニン、アルドステロン、BNP、hsCRP、尿中微量アルブミンについても測定していく。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Association of aldosterone-to-renin ratio with hypertension differs by sodium intake: the Ohasama study.2015
Author(s)
Satoh M, Kikuya M, Hosaka M, Asayama K, Inoue R, Metoki H, Tsubota-Utsugi M, Hara A, Hirose T, Obara T, Mori T, Totsune K, Hoshi H, Mano N, Imai Y, Ohkubo T.
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Journal Title
Am J Hypertens
Volume: 28 (2)
Pages: 208-215
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Day-to-day variability in home blood pressure is associated with cognitive decline: the Ohasama study.2014
Author(s)
Matsumoto A, Satoh M, Kikuya M, Ohkubo T, Hirano M, Inoue R, Hashimoto T, Hara A, Hirose T, Obara T, Metoki H, Asayama K, Hosokawa A, Totsune K, Hoshi H, Hosokawa T, Sato H, Imai Y.
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Journal Title
Hypertension
Volume: 63 (6)
Pages: 1333-1338
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Aldosterone-to-renin ratio and nocturnal blood pressure decline assessed by self-measurement of blood pressure at home: the Ohasama Study.2014
Author(s)
Satoh M, Hosaka M, Asayama K, Kikuya M, Inoue R, Metoki H, Utsugi MT, Hara A, Hirose T, Obara T, Mori T, Totsune K, Hoshi H, Mano N, Imai Y, Ohkubo T.
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Journal Title
Clin Exp Hypertens
Volume: 36 (2)
Pages: 108-114
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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